FP1級 2026年5月学科試験 問42

問42

民法における贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 定期贈与は、贈与者が死亡した場合には、当然にその効力が失われるが、受贈者が死亡した場合には、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。
  2. 書面によらない贈与は、履行が終了した部分を除き、贈与者または受贈者が解除をすることができる。
  3. 負担付贈与は、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者以外の第三者とすることもできる。
  4. 遺言者が作成した遺言書の内容が、その作成後にした死因贈与の内容と抵触するときは、その抵触する部分については、死因贈与により遺言書の内容を撤回したものとみなされる。

正解 1

解説

  1. [不適切]。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。したがって、贈与者・受贈者のどちらの死亡でも、相続人が権利義務を承継することは基本的にありません。これは定期贈与が当事者同士の人間関係を基礎としていることが多いためです(民法552条)。
    定期贈与は、贈与者が死亡した場合には、当然にその効力が失われるが、受贈者が死亡した場合には、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。2025.5-42-3
    定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、受贈者が死亡した場合は、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。2024.9-42-1
  2. 適切。書面によらない贈与契約(例:口頭や電子メールでの合意)は、まだ履行していない部分に限り、当事者双方から撤回することができます(民法550条)。
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    書面によらない贈与は、履行が終了した部分を除き、贈与者または受贈者が解除をすることができる。2025.5-42-2
    書面によらない贈与では、履行の終わった部分について、受贈者が解除をすることはできるが、贈与者が解除をすることはできない。2024.9-42-4
    書面によらない贈与は、贈与者または受贈者が一方的に解除することができるが、履行が終了した部分については解除することはできない。2024.1-42-4
  3. 適切。負担付贈与契約とは、受贈者が一定の債務を負担することを条件として、財産を贈与する契約です。受贈者の負担から利益を得るのは受贈者本人に限られず、第三者が利益を得る形も可能です。例えば、AがBに土地を贈与する代わりに、BがAの親Cの介護をする場合がこれに該当します。受贈者の負担によって第三者が利益を受けるときは、その第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したものとされます。
    負担付贈与は、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。2025.5-42-1
    負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、受贈者の負担によって利益を受ける者は、贈与者以外の第三者とすることができる。2024.9-42-2
    負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。2024.1-42-3
    負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。2022.9-42-2
    負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。2019.9-42-1
    負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。2015.10-42-3
  4. 適切。①前の遺言が後の遺言と抵触するとき、②遺言後に遺言内容に抵触する生前処分等があったときは、その抵触する部分については、前の遺言を撤回したものとみなされます(民法1023条)。死因贈与は、その効力について遺贈の規定が準用されますから、死因贈与の内容が先にした遺言の内容と抵触するときは、遺言の内容を撤回したものとみなされます(最判昭47.5.25)。
したがって不適切な記述は[1]です。