FP1級 2026年5月学科試験 問44
問44
民法における相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 被相続人に長男と孫(長男の子)がいる場合に、長男が被相続人の相続開始前に死亡していたときや相続の放棄をしたときは、孫は代襲相続人となり、長男が受けるべきであった相続分を代襲する。
- 相続人が被相続人の兄と姉と弟の3人である場合に、兄と姉は被相続人と父母を同じくするが、弟は被相続人と父母の一方のみを同じくするときは、弟の法定相続分は5分の1となる。
- 共同相続人のなかに被相続人から生計の資本として贈与を受けた者がいる場合に、その贈与が特別受益とされるときは、被相続人が相続開始時において有した財産の価額からその贈与の価額を控除したものを相続財産とみなし、各共同相続人の相続分が算定される。
- 寄与分は、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした相続人の相続分に加算されるものであり、その寄与として認められるものは、被相続人に対して無償で行った療養看護に限られる。
広告
広告
正解 2
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 不適切。代襲相続は、本来相続人となるべき人が「死亡・欠格・廃除」により相続できない場合に発生します(民法897条2項)。相続放棄をした場合、最初から相続人とならなかったとみなされるため、代襲相続はありません(民法939条)。被相続人に子と孫がおり、子と孫が親子である場合において、孫は、子が被相続人の相続開始前に死亡していたときや相続人の欠格事由に該当したときは代襲相続人となるが、子が相続の放棄をしたときは代襲相続人とならない。(2025.9-44-3)
- [適切]。兄弟姉妹が相続人であるとき、被相続人と父母の一方のみが同じである兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の相続分の2分の1となります(民法900条4号)。兄・姉(全血兄弟姉妹)の相続分を"2"とすると、弟(半血兄弟姉妹)の相続分は"1"となります。相続分は2:2:1で分割されるため、兄・姉は各5分の2、弟は5分の1となります。
相続人が被相続人の兄と妹の2人である相続において、兄は被相続人と父母を同じくするが、妹は被相続人と父母の一方のみを同じくする場合、兄の法定相続分は3分の2となる。(2025.9-44-1) - 不適切。相続財産から控除はしません。被相続人から特別受益(遺贈または婚姻・養子縁組・生計の資本のための生前贈与)を受けた者がいる場合、相続財産の価額に特別受益の贈与時の価額を加えたものを相続財産とみなして、各共同相続人の相続分を算定します(民法903条)。
共同相続人のなかに被相続人から特別受益を受けた者がいる場合には、被相続人が相続開始時において有した財産の価額にその特別受益の受贈時の価額を加えたものを相続財産とみなす。(2017.1-43-2) - 不適切。寄与分は、共同相続人の中に、被相続人の財産の維持・増加に特別な寄与をした人がいる場合に、その相続人の相続分に加算されるものです。寄与分の対象となる行為は、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法とされており、療養看護に限られません(民法904条の2)。

広告
広告