FP1級 2026年5月 応用編 問52(改題)
Aさん(47歳)と夫Bさん(44歳)はいずれも会社員であり、2人で暮らしている。Aさんは、以前から膝に痛みがあり、2025年12月に病院を受診したところ、変形性膝関節症と診断され、2026年2月20日に人工関節を挿入置換する手術を受けた。手術後、いったんは職場復帰したものの、経過が思わしくなく、2026年5月末日で退職することになった。Aさんは、退職後の収入を検討するにあたって、障害厚生年金の受給要件等について知りたいと思っている。
また、夫Bさんは、将来、Aさんの介護が必要となった場合の社会保険の取扱いについて、念のため確認しておきたいと考えている。
そこで、Aさん夫妻は、ファイナンシャル・プランナーのMさんにアドバイスを求めることにした。Aさん夫妻に関する資料は、以下のとおりである。
〈Aさん夫妻に関する資料〉
また、夫Bさんは、将来、Aさんの介護が必要となった場合の社会保険の取扱いについて、念のため確認しておきたいと考えている。
そこで、Aさん夫妻は、ファイナンシャル・プランナーのMさんにアドバイスを求めることにした。Aさん夫妻に関する資料は、以下のとおりである。
〈Aさん夫妻に関する資料〉
- Aさん(本人)
- 1978年6月20日生まれ、47歳
- 公的年金の加入歴
1998年6月から2001年3月までの大学生であった期間(34月)は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納付している(付加保険料は納付していない)。
2001年4月から2026年5月まで厚生年金保険の被保険者である(厚生年金基金の加入期間はない)。
2026年6月から2038年5月まで国民年金の第3号被保険者となる見込みである。 - 公的介護保険の第2号被保険者である。
- Bさん(夫)
- 1981年7月10日生まれ、44歳
- 公的年金の加入歴
2001年7月から2004年3月までの大学生であった期間(33月)は、国民年金の学生納付特例制度の適用を受けていた(保険料は追納していない)。
2004年4月から現在に至るまで厚生年金保険の被保険者であり、2046年6月まで引き続き被保険者となる見込みである(厚生年金基金の加入期間はない) - 2004年4月から現在に至るまで雇用保険の被保険者である。
- 夫Bさんは、Aさんと同居し、現在および将来においても、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
- 夫Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
- 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
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問52
Aさんが、Mさんの説明を受けて速やかに障害厚生年金の請求をし、2026年2月20日を障害認定日として障害等級3級と認定された場合の公的年金の障害給付および老齢給付について、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。
なお、計算にあたっては、《設例》の〈Aさん夫妻に関する資料〉および下記の〈条件〉に基づき、年金額は2026年度価額に基づいて計算するものとし、夫Bさんは老齢基礎年金および老齢厚生年金について繰上げ支給の請求をしないものとする。
〈条件〉
なお、計算にあたっては、《設例》の〈Aさん夫妻に関する資料〉および下記の〈条件〉に基づき、年金額は2026年度価額に基づいて計算するものとし、夫Bさんは老齢基礎年金および老齢厚生年金について繰上げ支給の請求をしないものとする。
- 障害厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。
- Aさんが65歳から「老齢基礎年金+老齢厚生年金」の受給を選択したときの老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。
〈条件〉
- 厚生年金保険の被保険者期間
- 総報酬制導入前の被保険者期間:24月
- 総報酬制導入後の被保険者期間:278月(障害認定日の属する月までの被保険者期間は275月)
- 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(2026年度再評価率による額)
- 総報酬制導入前の平均標準報酬月額:220,000円
- 総報酬制導入後の平均標準報酬額:401,000円(障害認定日の属する月までの平均標準報酬額は400,000円)
- 報酬比例部分の給付乗率
- 総報酬制導入前の乗率:1,000分の7.125
- 総報酬制導入後の乗率:1,000分の5.481
- 経過的加算額1,766円×被保険者期間の月数-□□□円×1961年4月以後で20歳以上60歳未満の
厚生年金保険の被保険者期間の月数480
※「□□□」は、問題の性質上、伏せてある。 - 加給年金額(要件を満たしている場合のみ加算すること)
- 障害厚生年金における加算額:243,800円
- 老齢厚生年金における加算額:423,700円
| ①円 |
| ②円 |
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正解
| ① 642,672(円) (220,000円×7.1251,000×24月+400,000円×5.4811,000×275月)×300月299月 =642,672円(円未満四捨五入) |
| ② 1,072,570(円) 220,000円×7.1251,000×24月+401,000円×5.4811,000×278月=648,631円(円未満四捨五入)
1,766円×302月-847,300円×302月480月=239円(円未満四捨五入) 648,631円+239円=648,870円 648,870円+423,700円=1,072,570円 |
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
〔①について〕
障害厚生年金の年金額は次のとおりです。ただし、短期要件の遺族厚生年金と同じく、被保険者期間が300月(25年)未満の場合には300月とみなして計算します。
【報酬比例部分の額】
総報酬制導入後の状況について2つの数値が示されています。障害厚生年金では、障害認定日の属する月後の厚生年金被保険者期間は計算の基礎とはされないため、使用するのは275月と40万円です。Aさんの被保険者期間は「24月+275月=299月」なので、みなし計算の対象となります。
(220,000円×7.1251,000×24月+400,000円×5.4811,000×275月)×300月299月
=(220円×7.125×24月+400円×5.481×275月)×300月299月
=(37,620円+602,910円)×300月299月
=640,530円×300月299月=642,672.2…円
(円未満四捨五入)642,672円
また、2026年度の基本年金額は847,300円であり、その4分の3相当額は635,500円です。上記の計算額はこの最低保障額よりも高いため、そのまま障害厚生年金の年金額とします。
よって、正解は642,672(円)となります。
〔②について〕
65歳以降に受け取る老齢厚生年金の年金額は、以下の算式で求めます。
報酬比例部分の額+経過的加算額+加給年金額
【報酬比例部分の額】
次式で算出される額の合計になります。
220,000円×7.1251,000×24月+401,000円×5.4811,000×278月
=220円×7.125×24月+401円×5.481×278月
=37,620円+611,010.9…円=648,630.9…円
(円未満四捨五入)648,631円
【経過的加算額】
厚生年金の被保険者期間の合計は「24月+278月=302月」、20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数も同じく302月です。これを計算式に当てはめると、
1,766円×302月-847,300円×302月480月
=533,332円-533,092.9…円=239.0…円
(円未満四捨五入)239円
【加給年金額】
下図の条件を満たすときに支給されます。
Aさんの厚生年金被保険者期間は240月以上、夫Bさんは年下です。また、夫Bさんは厚生年金の被保険者期間を20年以上有していますが、特別支給の老齢厚生年金や本来の老齢厚生年金を受給していません。したがって、加給年金額423,700円の支給対象となります。
以上より、老齢厚生年金の基本年金額は、
648,631円+239円+423,700円=1,072,570円
よって、正解は1,072,570(円)です。
障害厚生年金の年金額は次のとおりです。ただし、短期要件の遺族厚生年金と同じく、被保険者期間が300月(25年)未満の場合には300月とみなして計算します。
- 1級 報酬比例部分の額×1.25+配偶者加給年金額
- 2級 報酬比例部分の額+配偶者加給年金額
- 3級 報酬比例部分の額(基本年金額の4分の3の最低保障額あり)
【報酬比例部分の額】
総報酬制導入後の状況について2つの数値が示されています。障害厚生年金では、障害認定日の属する月後の厚生年金被保険者期間は計算の基礎とはされないため、使用するのは275月と40万円です。Aさんの被保険者期間は「24月+275月=299月」なので、みなし計算の対象となります。
(220
=(220円×7.125×24月+400円×5.481×275月)×300月299月
=(37,620円+602,910円)×300月299月
=640,530円×300月299月=642,672.2…円
(円未満四捨五入)642,672円
また、2026年度の基本年金額は847,300円であり、その4分の3相当額は635,500円です。上記の計算額はこの最低保障額よりも高いため、そのまま障害厚生年金の年金額とします。
よって、正解は642,672(円)となります。
〔②について〕
65歳以降に受け取る老齢厚生年金の年金額は、以下の算式で求めます。
報酬比例部分の額+経過的加算額+加給年金額
【報酬比例部分の額】
次式で算出される額の合計になります。
- 平均標準報酬月額×7.1251,000×総報酬制導入前※の被保険者期間月数
※2003年3月以前 - 平均標準報酬額×5.4811,000×総報酬制導入後※の被保険者期間月数
※2003年4月以降
220
=220円×7.125×24月+401円×5.481×278月
=37,620円+611,010.9…円=648,630.9…円
(円未満四捨五入)648,631円
【経過的加算額】
厚生年金の被保険者期間の合計は「24月+278月=302月」、20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数も同じく302月です。これを計算式に当てはめると、
1,766円×302月-847,300円×302月480月
=533,332円-533,092.9…円=239.0…円
(円未満四捨五入)239円
【加給年金額】
下図の条件を満たすときに支給されます。
Aさんの厚生年金被保険者期間は240月以上、夫Bさんは年下です。また、夫Bさんは厚生年金の被保険者期間を20年以上有していますが、特別支給の老齢厚生年金や本来の老齢厚生年金を受給していません。したがって、加給年金額423,700円の支給対象となります。

648,631円+239円+423,700円=1,072,570円
よって、正解は1,072,570(円)です。
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