損害保険(全67問中9問目)
No.9
各種損害保険に付帯することができる個人賠償責任(補償)特約(以下、「本特約」という)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。2023年9月試験 問13
- 民法第709条に規定する不法行為による損害について、本特約では、被保険者の故意による損害は補償の対象とならない。
- 本特約における被保険者には、保険契約締結時における記名被保険者の配偶者や同居の親族等が含まれるが、保険契約締結後に婚姻により配偶者となった者や同居した親族は被保険者とならない。
- 本特約では、別荘等の被保険者が一時的に居住の用に供する住宅の管理に起因して発生した偶然な事故は補償の対象とならない。
- 本特約が付帯された自動車保険のノンフリート契約において、本特約の保険金が支払われた場合、「1等級ダウン事故」に該当し、契約更新後の等級は1等級下がる。
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正解 1
問題難易度
肢175.3%
肢25.7%
肢310.7%
肢48.3%
肢25.7%
肢310.7%
肢48.3%
分野
科目:B.リスク管理細目:4.損害保険
解説
- [適切]。故意による事故で生じた賠償責任は補償されません。民法で定める不法行為責任は「故意」または「過失」によって他人の権利や利益を侵害した場合に負う賠償責任ですが、個人賠償責任特約がカバーするのは不法行為責任のうち過失によるものだけということです。本特約では、民法第709条に規定する不法行為による損害賠償のうち、被保険者の故意によって生じた損害賠償責任を負うことによって被る損害は、補償の対象とならない。(2017.1-14-4)
- 不適切。個人賠償責任保険の被保険者は、本人または配偶者の同居の親族や、配偶者の別居の未婚の子も含まれ、被保険者との続柄は事故発生時点での関係によって決まります。家族傷害保険と同じです。本特約における被保険者には、本人(記名被保険者)およびその配偶者のほか、本人または配偶者の同居の親族や、本人または配偶者の別居の未婚の子も含まれ、被保険者の続柄は損害の原因となった事故発生時におけるものによる。(2018.9-14-1)
- 不適切。個人が居住している住居の所有・使用・管理や日常生活で起きた偶然な事故によって損害を与えた場合には、本特約で補償されます。住居には、別荘などの一時的に居住の用に供する住宅も対象に含まれます。
- 不適切。自動車保険において個人賠償責任特約からのみ保険金が支払われた事故は「ノーカウント事故」に該当するので、保険金の支払いは更新後の等級に影響しません。
- 1等級ダウン事故
- 火災・爆発や台風・洪水といった自然災害や、盗難・落書き・いたずら・飛び石との衝突などの偶然な事故によって、車両保険等を使用した事故
- ノーカウント事故
- 人身傷害保険、搭乗者傷害保険、個人賠償特約、ファミリーバイク特約等からのみ保険金が支払われた事故
8等級の契約者Bさんが被保険自動車を運転中に赤信号で停車中のバイクに追突して対人賠償保険と対物賠償保険の保険金がそれぞれ支払われた場合、その事故は「3等級ダウン事故」に該当し、保険契約の更新後の等級は5等級となる。(2025.1-14-2)8等級の契約者が自動車を走行中に単独事故を起こして同乗者がケガを負い、人身傷害(補償)保険の保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は8等級となる。(2021.5-13-2)本特約が付帯された自動車保険のノンフリート契約において、本特約の保険金が支払われた場合、「1等級ダウン事故」に該当するため、契約更新後の等級は1等級下がる。(2018.9-14-4)10等級の契約者が自動車を盗難され、車両保険金のみが支払われた場合、当該事故は「等級すえおき事故」であり、更新後の等級は10等級となる。(2017.1-13-3)8等級の契約者が自動車事故でケガをして、人身傷害(補償)保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は9等級となる。(2017.1-13-4)
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