FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問14

問14

任意の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別料率制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、契約者と記名被保険者は同一人であるものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 10等級の契約者Aさんが被保険自動車を運転中に歩行者に衝突して対人賠償保険の保険金が支払われ、その後、同じ保険期間内において、被保険自動車を運転中に店舗に衝突して対物賠償保険の保険金が支払われた場合、それぞれの事故は「3等級ダウン事故」に該当し、保険契約の更新後の等級は4等級となる。
  2. 8等級の契約者Bさんが被保険自動車を運転中に赤信号で停車中のバイクに追突して対人賠償保険と対物賠償保険の保険金がそれぞれ支払われた場合、その事故は「3等級ダウン事故」に該当し、保険契約の更新後の等級は5等級となる。
  3. 6等級の契約者Cさんが被保険自動車を運転中に飛び石でフロントガラスが破損したことにより車両保険の保険金が支払われた場合、その事故は「ノーカウント事故」に該当し、保険契約の更新後の等級は7等級となる。
  4. 4等級の契約者Dさんが「1等級ダウン事故」により保険契約の更新後の等級が3等級となり、2等級の契約者Eさんが無事故により保険契約の更新後の等級が3等級となる場合、3等級であるDさんとEさんのそれぞれの保険料に適用される割増率は同じである。

正解 3

問題難易度
肢111.7%
肢25.4%
肢350.1%
肢432.8%

解説

次の表はノンフリート等級別料率制度に関する出題ポイントのまとめです。
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  1. 適切。1保険期間内に保険を2回以上使用した場合、等級ダウンが合算されます。対人賠償保険は「3等級ダウン事故」であり、それを2回起こしているので、現在10等級なので契約更新後は「3×2=6等級」下がって4等級となります。
  2. 適切。1回の事故で等級ダウンの程度が異なる複数の保険を使用した場合、その事故は最も重い等級ダウンの事故として扱われます。対人と対物はともに「3等級ダウン事故」なので、現在8等級なので契約更新後は3等級下がって5等級となります。
    18等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に他の自動車と接触し、対人・対物賠償保険、人身傷害(補償)保険、車両保険の保険金がそれぞれ支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」であり、更新後の等級は15等級となる。2024.5-13-1
    本特約が付帯された自動車保険のノンフリート契約において、本特約の保険金が支払われた場合、「1等級ダウン事故」に該当し、契約更新後の等級は1等級下がる。2023.9-13-4
    本特約が付帯された自動車保険のノンフリート契約において、本特約の保険金が支払われた場合、「1等級ダウン事故」に該当するため、契約更新後の等級は1等級下がる。2018.9-14-4
    13等級の契約者が自動車同士の事故を起こして、相手方に対物賠償保険金が支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」であり、更新後の等級は10等級となる。2017.1-13-2
    10等級の契約者が自動車を盗難され、車両保険金のみが支払われた場合、当該事故は「等級すえおき事故」であり、更新後の等級は10等級となる。2017.1-13-3
  3. [不適切]。飛び石のように、単独事故・車対車の事故以外の事由により車両保険金のみが支払われた事故は「1等級ダウン事故」に該当します。更新後は6等級から1等級下がって5等級になります。
    16等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に電柱に衝突する事故を起こした後、当該車両が台風により被害に遭い、同一保険期間中に2回、車両保険の保険金が支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」と「ノーカウント事故」となり、更新後の等級は13等級となる。2024.5-13-2
    8等級の契約者が自動車を走行中に単独事故を起こして同乗者がケガを負い、人身傷害(補償)保険の保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は8等級となる。2021.5-13-2
    9等級の契約者が自動車を走行中に飛び石で窓ガラスが破損したことにより車両保険の保険金のみが支払われた場合、当該事故は「1等級ダウン事故」であり、更新後の等級は8等級となる。2021.5-13-3
    12等級の契約者が自動車を走行中に飛び石でフロントガラスにひびが入り、車両保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は13等級となる。2018.1-13-2
    8等級の契約者が自動車事故でケガをして、人身傷害(補償)保険金のみが支払われた場合、当該事故は「ノーカウント事故」であり、更新後の等級は9等級となる。2017.1-13-4
  4. 適切。直近の事故歴がある人の保険料を割高にする「事故有係数」という仕組みがあり、同じ等級でも"事故あり"でその等級になった場合、"事故なし"でその等級になった人よりも保険料が高くなります。ただし、この事故有係数は7等級以上(7~20等級)であるときに限り適用されるので、本肢のように3等級であれば"事故あり"でも"事故なし"でも同じ割増率が適用されます。
    前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「1等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者は、それぞれの保険料に適用される割引率は同じである。2024.5-13-4
    前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「3等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者では、適用される保険料の割引率が異なる。2021.5-13-1
    前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「1等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者は、等級が同じであるため、それぞれの保険料に適用される割引率は同じである。2018.1-13-3
したがって不適切な記述は[3]です。