FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問36(改題)
問36
不動産の売買取引における契約不適合を担保すべき責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 民法では、買主が、売買の目的物に契約に適合しない事実があることを知らず、かつ、そのために契約の目的を達成できないときは、原則として、買主が当該不適合を知った時から2年以内であれば契約の解除ができるとしている。
- 民法で定める契約不適合を担保すべき責任は任意規定であるため、売主が宅地建物取引業者である場合を除き、売主および買主の合意により売主が契約不適合を担保すべき責任を負わないとする特約は有効である。
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、契約不適合を担保すべき責任については、契約解除等の期間を引渡日より1年以上とする特約以外に、民法の規定よりも買主に不利となる特約を締結することはできない。
- 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の売主は、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、当該物件の引渡日から20年間、瑕疵担保責任を負うことになる。
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正解 2
問題難易度
肢19.2%
肢255.6%
肢321.9%
肢413.3%
肢255.6%
肢321.9%
肢413.3%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- 不適切。売主の契約不適合を担保すべき責任を追及するには、買主はその不適合を知った日から1年にその旨を売主に通知しなければなりません。本肢は「2年」としているので誤りです(民法566条)。
- [適切]。民法の契約不適合責任は任意規定なので、売主と買主の合意により排除する特約を定めることも可能です。ただし、宅地建物の取引において、売主が宅地建物取引業者、買主が宅地建物取引業者以外の場合には宅建業法の規定により排除できないようになっています(宅建業法40条)。
- 不適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約では、契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間を引渡しの日から2年以上とする場合を除き、民法の規定よりも買主に不利な特約をしてはいけません。本肢は「引渡日より1年」としているので誤りです(宅建業法40条)。
- 不適切。住宅の品質確保の促進等に関する法律は、新築住宅の取得契約(請負・売買)において、基本構造部分(柱、梁などの住宅の構造耐力上主要な部分等)の瑕疵担保期間を10年間義務付けるものです(20年まで伸長可能)。本法で義務付けられている瑕疵担保期間は引渡したときから10年なので誤りです。
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