FP1級過去問題 2015年10月学科試験 問22

問22

オプション取引による一般的なリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 東証株価指数(TOPIX)を原資産とするコール・オプションの購入は、TOPIXが下落することに対するヘッジとなる。
  2. ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。
  3. キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。
  4. ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。

正解 2

解説

  1. 不適切。下落することに対するヘッジではありません。コール・オプションは、ある原資産を一定価格で買う権利です。原資産が下落した場合、現在よりも高い価格で購入できる権利があるだけなので、持っていても意味がありません。
    東証株価指数(TOPIX)を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数(TOPIX)が下落することに対するヘッジとなる。2022.5-22-1
    東証株価指数(TOPIX)を原資産とするコール・オプションの購入は、東証株価指数(TOPIX)が下落することに対するヘッジとなる。2019.9-21-1
    東証株価指数を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数が下落することに対するヘッジとなる。2016.9-21-1
  2. [適切]。ドル・コール/円・プットの購入は、一定価格でドルを買って円を売る権利です。ドル高/円安になった場合、オプションの行使で安く買ったドルを市場で売ることにより利益を得ることができるので、ドル高/円安に対するヘッジとなります。
    ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2022.5-22-2
    ドル・プット/円・コールの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2019.9-21-2
    ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2016.9-21-2
  3. 不適切。金利低下に対するヘッジにはなりません。キャップは、金利オプションの一種で、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことによって、原資産である金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引です。金利が想定以上に上昇することに対するヘッジと言えます。金利低下に対するヘッジとなるのは、フロアの購入です。
    キャップの購入は、対象となる金利が上昇することに対するヘッジとなる。2022.5-22-3
    フロアの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-3
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-4
    キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2016.9-21-3
    レシーバーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2016.9-21-4
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2015.10-22-4
  4. 不適切。金利低下に対するヘッジにはなりません。ペイヤーズスワップションとは、オプション保有者が、固定金利を支払い変動金利を受け取る金利スワップを実行するオプションのことをいいます。金利上昇局面を迎えて変動金利が上がれば、オプションを行使して利益を得ることができるため、金利上昇に対するヘッジと言えます。金利低下に対するヘッジとなるのは、レシーバースワップション(固定金利受け・変動金利払い)の購入です。
    キャップの購入は、対象となる金利が上昇することに対するヘッジとなる。2022.5-22-3
    フロアの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-3
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-4
    キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2016.9-21-3
    レシーバーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2016.9-21-4
    キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2015.10-22-3
したがって適切な記述は[2]です。