FP1級 2018年9月 応用編 問53
問53
Aさんが、65歳の誕生日でX社を退職して再就職しない場合、Aさんが原則として65歳から受給することができる公的年金の老齢給付について、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。なお、計算にあたっては、以下の〈条件〉と〈資料〉の計算式を利用し、年金額は、2018年度価額に基づいて計算するものとする。また、資料中の「□□□」は、問題の性質上、伏せてある。
- 老齢基礎年金の年金額はいくらか。
- 老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。
- 厚生年金保険の被保険者期間
- 総報酬制導入前の厚生年金保険の被保険者期間:252月
- 総報酬制導入後の厚生年金保険の被保険者期間:261月(65歳到達時点)
- 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(2018年度再評価率による額)
- 総報酬制導入前の平均標準報酬月額:37万円
- 総報酬制導入後の平均標準報酬額:59万6,000円(65歳到達時点)
- 妻Bさんは、老齢基礎年金、老齢厚生年金の繰上げ受給は行わないものとする。

①円 |
②円 |
広告
正解
① 735,464(円) 779,300円×453月480月=735,464円(円未満四捨五入) |
② 1,951,273(円) 370,000円×7.1251,000×252月+596,000円×5.4811,000×261月
=1,516,937円(円未満四捨五入) 1,625円×480月-779,300円×453月480月=44,536円(円未満四捨五入) 1,516,937円+44,536円=1,561,473円 1,561,473円+389,800円=1,951,273円 |
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
〔①について〕老齢基礎年金の年金額は、以下の算式で求めます。2018年度の基本年金額は779,300円です。
基本年金額×保険料納付済月数480月
Aさんは、大学生だったときの27月の未納期間を除き、60歳まで引き続き厚生年金の被保険者となっているので、保険料納付済月数は480月から27月を差し引いた「480月-27月=453月」です。免除期間はないのでそのまま計算します。
779,300円×453月480月=735,464.3…円
(円未満四捨五入)735,464円
よって、正解は735,464(円)です。
〔②について〕
65歳以上の老齢厚生年金の年金額は、以下の算式で求めます。
報酬比例部分の額+経過的加算額+加給年金額
【報酬比例部分の額】
次式で算出される額の合計になります。
- 平均標準報酬月額×7.1251,000×総報酬制導入前※の被保険者期間月数
※2003年3月以前 - 平均標準報酬月額×5.4811,000×総報酬制導入後※の被保険者期間月数
※2003年4月以降
370
=370円×7.125×252月+596円×5.481×261月
=664,335円+852,602.4…円=1,516,937.4…円
(円未満四捨五入)1,516,937円
【経過的加算額】
厚生年金の被保険者期間の合計は「252+261月=513月」ですが、上限が480月なので480月を使います。20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数は、60歳から65歳までの5年分(60月)を差し引いた「513月-60月=453月」です。これを計算式に当てはめると、
1,625円×480月-779,300円×453480月
=780,000円-735,464.3…円=44,535.6…円
(円未満四捨五入)44,536円
【加給年金額】
次の表の条件を満たすときに支給されます。Aさんの被保険者期間は240月以上であり、妻Bさんは年下です。妻Bさんには63歳から特別支給の老齢厚生年金(被保険者期間20年以上)が支給されますが、Aさんが65歳になったときに妻Bさんはまだ62歳なので、65歳時点では加給年金額389,800円が加算されます。

1,516,937円+44,536円+389,800円=1,951,273円
よって、正解は1,951,273(円)です。
広告
広告