FP1級過去問題 2019年1月学科試験 問20
問20
オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。
- キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。
- カラーは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、カラーの買い手は売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額を受け取ることができる。
- ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、一般に、オプション料は低くなる。
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正解 3
問題難易度
肢114.3%
肢29.6%
肢351.9%
肢424.2%
肢29.6%
肢351.9%
肢424.2%
分野
科目:C.金融資産運用細目:8.金融派生商品
解説
- 適切。ITM(イン・ザ・マネー)は、オプションの本質的価値が0よりも大きい有利な状態のことをいいます。例えば、日経225オプション取引でその時点の日経平均株価が20,000円のとき、19,000円で買える権利は1,000円の価値があることになります。このようにオプションを行使することで利益が出る状態をITM(イン・ザ・マネー)といいます。それぞれのオプションで以下のときにITM(イン・ザ・マネー)状態となります。
- コール・オプション:原資産価格>権利行使価格
- プット・オプション:原資産価格<権利行使価格
ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいう。(2023.9-20-1) - 適切。キャップは、金利オプションの一種で、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことによって、原資産である金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引です。カラーの買いは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、買い手は売り手にオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合や下限金利を下回った場合に、その差額を受け取ることができる。(2023.9-20-2)カラーは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、カラーの買い手は売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額を受け取ることができる。(2019.1-20-3)
- [不適切]。カラーは、キャップとフロアの"売り買い"を組み合わせた取引です。カラーの買い手が売り手に対してオプション料を支払い、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額(金利差)を受け取ることができる取引です。
- カラーの買い(キャップの買い・フロアの売り)
- 金利低下のメリットを放棄して、金利上昇のメリットを享受する。フロア売りで受け取るオプション料をキャップ買いのオプション料支払いに充てる
- カラーの売り(キャップの売り・フロアの買い)
- 金利上昇のメリットを放棄して、金利低下のメリットを享受する。キャップ売りで受け取るオプション料をフロア買いのオプション料支払いに充てる
カラーの買いは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、買い手は売り手にオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合や下限金利を下回った場合に、その差額を受け取ることができる。(2023.9-20-2)キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。(2019.1-20-2) - 適切。バリア・オプションは、原資産価格が一定の価格に到達するかどうかで権利が発生・消滅するオプションです。ノックイン・オプションは、一定の価格に到達したときにオプションの権利が発生するという発生の条件が付くため、また、ノックアウト・オプションは、一定の価格に到達したときにオプションの権利が消滅するという買い手にとって不利な条件があるため、バリア条件のないオプションと比較すると、一般に、オプション料は低くなります。
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