FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問21
問21
オプション取引の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、通常、オプション料は高くなる。
- フロアは、フロアの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を下回った場合に、その差額を受け取ることができるオプション取引である。
- ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。
- オプション取引において、権利行使期間中であればいつでも権利行使が可能なものをアメリカンタイプという。
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正解 1
問題難易度
肢137.4%
肢220.9%
肢330.5%
肢411.2%
肢220.9%
肢330.5%
肢411.2%
分野
科目:C.金融資産運用細目:8.金融派生商品
解説
- [不適切]。バリア・オプションのオプション料は通常より低いです。
バリア・オプションは、原資産価格が一定の価格(バリア価格)に到達するかどうかで権利が発生・消滅するオプションです。次の2つがあります。- ノックイン・オプション
- バリア価格に到達するとオプションの権利が発生する
- ノックアウト・オプション
- バリア価格に到達するとオプションの権利が消滅する
ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、一般に、オプション料は低くなる。(2019.1-20-4) - 適切。フロア(floor…床)は、対象とする金利があらかじめ設定した下限金利を下回った場合に、フロアの買い手が売り手から超過下落金利相当額を受け取ることができる金利オプション取引です。金利の低下に限度を設けることができるので、購入すれば金利低下に対するヘッジとなります。カラーの買いは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、買い手は売り手にオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合や下限金利を下回った場合に、その差額を受け取ることができる。(2023.9-20-2)キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。(2019.1-20-2)
- 適切。ITM(イン・ザ・マネー)は、オプションの本質的価値が0よりも大きい有利な状態のことをいいます。例えば、日経225オプション取引でその時点の日経平均株価が20,000円のとき、19,000円で買える権利は1,000円の価値があります。このようにオプションを行使することで利益が出る状態がITM(イン・ザ・マネー)です。それぞれのオプションは次のときにITM(イン・ザ・マネー)の状態と言えます。
- コール・オプション 原資産価格>権利行使価格
- プット・オプション 原資産価格<権利行使価格
ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいう。(2023.9-20-1)ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。(2019.1-20-1) - 適切。オプション取引は、権利行使時期の違いにより以下の2タイプに分かれます。
- アメリカンタイプ
- 権利行使期間中であればいつでも権利行使可能
- ヨーロピアンタイプ
- 特定の権利行使日(満期日)のみ権利行使可能
権利行使期間中であればいつでも権利行使が可能なものをアメリカン・オプション、特定の権利行使日のみ権利行使が可能なものをヨーロピアン・オプションという。(2023.9-20-3)満期日までの期間中、いつでも権利行使することができるアメリカンタイプである。(2015.1-22-2)
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