FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問47

問47

相続税における取引相場のない株式の評価方法である類似業種比準方式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3カ月間の各月の類似業種の株価、類似業種の前年平均株価、課税時期の属する月以前2年間の類似業種の平均株価のうち、最も低いものとすることができる。
  2. 比準要素である1株当たりの配当金額の計算上、特別配当、記念配当等の名称による配当金額のうち、将来毎期継続することが予想できない金額は、評価会社の剰余金の配当金額から除かれる。
  3. 比準要素である1株当たりの利益金額の計算上、固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額は、評価会社の法人税の課税所得金額から除かれる。
  4. 比準要素である1株当たりの純資産価額の計算上、評価会社の資本金等の額および利益積立金額に相当する金額の合計額は、直前期末の金額と直前々期末の金額の合計額に2分の1を乗じて算出される。

正解 4

問題難易度
肢114.5%
肢26.0%
肢319.6%
肢459.9%

解説

  1. 適切。算定の基礎となる類似業種株価は、国税庁ホームページに公開されている「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」に記載されている類似業種の株価のうち、①評価する月、②評価する前月、③評価する前々月、④前年、⑤過去2年間、の5つの平均株価から最も低い金額を使用して計算します。
  2. 適切。比準要素である1株当たりの年間配当金額は、直前期末以前2年間の評価会社の余剰金の配当金額をもとに計算されますが、この配当金額には、特別配当、記念配当などのように将来毎期継続することが予想できない金額は含めずに算出します。
  3. 適切。比準要素である1株当たりの利益金額は、直前期末以前1年間の評価会社の法人税の課税所得金額をもとに計算されますが、固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額は含めずに算出します。
  4. [不適切]。比準要素である1株当たりの純資産価額は、直前期末の評価会社の資本金等の額および利益積立金額に相当する金額の合計額をもとに算出されます。本肢は「過去2事業年度末の金額の平均」としているので誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。