FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問48

問48

相続税における農地および生産緑地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 路線価地域内にある市街地農地に該当する農地は、当該農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額に地積を乗じて算出した金額によって評価する。
  2. 純農地または中間農地に該当する農地は、当該農地の固定資産税評価額に国税局長の定める倍率を乗じる倍率方式によって評価する。
  3. 市街地周辺農地に該当する農地は、当該農地が市街地農地であるとして評価した価額の50%相当額として評価する。
  4. 課税時期において市町村長に対して買取りの申出をすることができる生産緑地は、当該生産緑地が生産緑地でないものとして評価した価額の50%相当額として評価する。

正解 2

問題難易度
肢116.2%
肢253.4%
肢318.1%
肢412.3%

解説

相続財産の評価では農地は次の4種類に区分して評価します。
純農地
倍率方式によって評価する
中間農地
倍率方式によって評価する
市街地周辺農地
その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%に相当する金額によって評価する
市街地農地
宅地としての1㎡当たり評価額から、その農地を宅地に転用する場合に通常要する1㎡当たりの造成費を控除した金額に、地積を乗じて評価する
  1. 不適切。市街地農地の評価額は、その農地が宅地であるとした場合の評価額から、その農地を宅地に転用するのに通常要する造成費を差し引いて求めます。本肢は造成費の控除が抜けているので誤りです。
  2. [適切]。純農地および中間農地は倍率方式によって評価します。倍率方式とは、当該農地の固定資産税評価額に国税局長の定める一定の倍率を乗じる方式です。
  3. 不適切。市街地周辺農地の価額は、当該農地が市街地農地であるとして評価した価額の80%相当額として評価します。
  4. 不適切。生産緑地に係る主たる従事者が死亡した場合に、市町村長に対して買取りの申出ができる生産緑地は、当該生産緑地が生産緑地でないものとして評価した価額の95%相当額として評価します。なお、買取りの申出ができない生産緑地については、課税時期から買取りの申出をすることができることとなる日までの期間に応じて65%~90%で評価されます。
したがって適切な記述は[2]です。