FP1級 2019年5月 応用編 問63

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問63

《設例》の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、端数処理は、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。
なお、X社株式の類似業種比準価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、できるだけ低い価額となる方法を選択するものとする。

正解 

 2,268(円)
7,500万円÷150,000株=500円
326円×5.5円4.8円41円38円336円261円3×0.6×500円50円
=326円×1.14+1.07+1.283×0.6×500円50円
=326円×1.16×0.6×10
=226.8円×10
=2,268円

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:5.相続財産の評価(不動産以外)

解説

類似業種比準価額は以下の式で求めます。
まず計算手順を確認します。複雑ですが絶対にマスターしましょう。
  1. 類似業種株価として、①評価する月、②評価する前月、③評価する前々月、④前年の平均株価、⑤過去2年間の平均株価の中から最も低い金額を選択する(上記5つ以外のダミーの金額があるので注意!
  2. 資本金等の額と発行済株式数から1株当たり純資産額を求める(大抵は500円になるはず)
  3. 1株当たり資本金等の額を50円としたときの発行済株式数を求める
  4. (3)の株式数を用いて、1株当たりの配当金額、利益、純資産額のうち空欄になっている金額を計算する
  5. 計算過程における切捨て条件に注意しつつ、上記の式に各金額を当てはめて計算する
  6. 「1株当たりの資本金等の額/50円」を乗じて、実際の1株当たりの価額に還元する
では計算していきます。
  1. 設例には5つの平均株価が提示されていてどれも適用可能なので、最も低い「過去2年間の平均株価326円」を使用することになります。
  2. 資本金等の額が7,500万円、発行済株式数が150,000株なので、1株当たり純資産額は「7,500万円÷15万株=500円」
  3. (本問では各比準要素の金額が全て示されているので計算不要です)
  4. (本問では各比準要素の金額が全て示されているので計算不要です)
  5. 設例の金額を式に当てはめると次のようになります。X社は中会社なので斟酌率は0.6を使います。また、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨てることに注意しましょう(が付いている部分が切捨て処理の箇所です)。

     326円×5.5円4.8円41円38円336円261円3×0.6
    =326円×1.14+1.07+1.283×0.6
    =326円×1.16×0.6=226.896円

  6. 最後に500円/50円を乗じて、つまり10倍して類似業種比準価額とします。

     226.896円×500円50円=2,268.96円
    (円未満を切り捨て)2,268円
したがって正解は2,268(円)となります。