FP1級 2019年9月 応用編 問53

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問53

仮に、Aさんが現時点(2019年9月8日)で死亡し、妻Bさんが遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給権を取得した場合、Aさんの死亡時における妻Bさんに係る遺族給付について、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。
なお、計算にあたっては、下記の〈条件〉に基づき、年金額は、2019年度価額に基づいて計算するものとする。

  1. 遺族基礎年金の年金額はいくらか。
  2. 遺族厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。
〈条件〉
  1. 厚生年金保険の被保険者期間
    • 総報酬制導入前の被保険者期間:60月
    • 総報酬制導入後の被保険者期間:197月
    (注)要件を満たしている場合、300月のみなし計算を適用すること。
  2. 平均標準報酬月額・平均標準報酬額(2019年度再評価率による額)
    • 総報酬制導入前の平均標準報酬月額:208,000円
    • 総報酬制導入後の平均標準報酬額:322,000円
  3. 乗率
    • 総報酬制導入前の乗率:1,000分の7.125
    • 総報酬制導入後の乗率:1,000分の5.481
  4. 中高齢寡婦加算額
    585,100円(要件を満たしている場合のみ加算すること)

正解 

① 1,229,100(円)
780,100円+224,500円+224,500円=1,229,100円
② 382,239(円)
(208,000円×7.1251,000×60月+322,000円×5.4811,000×197月)×300月257月×34
=382,239円(円未満四捨五入)

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
Aさんには生計維持関係にある18歳未満の子がいるので、妻Bさんは遺族基礎年金を受け取れます。この加算額は2人目まで224,500円(2019年価額)なので、基本年金額と2人分の子の加算額を合算して、

 780,100円+224,500円+224,500円=1,229,100円

よって、正解は1,229,100(円)です。

〔②について〕
遺族厚生年金の額は、死亡した被保険者の被保険者期間をもとに算出した報酬比例額の4分の3です。報酬比例額は、

 208,000円×7.1251,000×60月+322,000円×5.4811,000×197月
=208円×7.125×60月+322円×5.481×197月
=88,920円+347,681.754円=436,601.754円

Aさんの被保険者期間は300月未満なので、被保険者期間300月とみなして遺族厚生年金の額を計算します。

 436,601.754円×300月60月+197月×3/4=382,238.8…
(円未満四捨五入)382,239円

妻Bさんは遺族基礎年金の受給権があるので中高齢寡婦加算の対象外です。
よって、正解は382,239(円)です。