FP1級 2020年9月 応用編 問55

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問55

《設例》の〈X社とY社の財務データ等〉に基づいて、X社の損益分岐点比率を求めなさい。〔計算過程〕を示すこと。なお、計算過程においては端数処理せず、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。

正解 

 57.45(%)
188,000百万円-80,000百万円=108,000百万円
188,000百万円÷2,000,000百万円=0.094
108,000百万円÷0.0942,000,000百万円×100=57.45%(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

損益分岐点比率は、売上高に対する損益分岐点売上高の割合です。主に収益性をみる指標であり、低ければ低いほど売上の減少に対しての耐性が強く安全といえます。損益分岐点比率は以下の算式で求めます。

 損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高売上高×100

損益分岐点売上高は以下の式で求めます。

 限界利益率=限界利益÷売上高
 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

本問では「変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しい」とあります。限界利益は「売上高-変動費」、売上総利益は「売上高-売上原価」なので、「限界利益=売上総利益」と考えることができます。また「営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費」より、固定費は「売上総利益-営業利益」で求めることができます。

 限界利益=188,000(百万円)
 固定費=188,000-80,000=108,000(百万円)

売上高が2,000,000百万円なので、

 限界利益率=188,000÷2,000,000=0.094
 損益分岐点売上高=108,000÷0.094=1,148,936.172…(百万円)

計算途中で端数処理をしないという条件があるので、上記の値をそのまま売上高で割って、損益分岐点比率にします。

 1,148,936.172…2,000,000×100=57.446…%
(小数点以下第3位を四捨五入)57.45%

よって、正解は57.45%です。