FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問14

問14

地震保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 地震保険の保険料の割引制度には、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」があり、割引率は「耐震等級割引(耐震等級3)」および「免震建築物割引」の50%が最大である。
  2. 火災保険の保険期間が5年を超える場合、付帯して契約する地震保険の保険期間は1年単位で最長5年までを選択することができ、5年間の長期契約の保険料を一括払いした場合は所定の割引率が適用される。
  3. 地震を原因とする地盤液状化により、木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度の大きさにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。
  4. 建物を対象とする地震保険は、建物の主要構造部の損害状況に基づき保険金が支払われるため、門・塀・給排水設備等が単独で損害を受けた場合、保険金は支払われない。

正解 2

問題難易度
肢19.7%
肢235.5%
肢310.5%
肢444.3%

解説

  1. 適切。地震保険料の割引制度には、免震建築物割引(50%)、耐震等級割引(10~50%)、耐震診断割引(10%)、建築年割引(10%)の4種類があります。免震建築物割引(50%)と耐震等級割引(10~50%)は最大50%の割引率になっています。
  2. [不適切]。地震保険の保険期間は、主契約である火災保険の保険期間を限度として最長5年です。火災契約の保険期間によって契約可能な年数が異なります。
    火災契約の保険期間が5年以下
    ①保険期間1年の自動継続
    ②保険期間を火災契約と同一(2・3・4・5年のいずれか)とする長期契約
    火災契約の保険期間が5年超
    ①保険期間1年の自動継続
    ②保険期間5年の自動継続
    火災契約の保険期間が5年超の場合には、地震保険の長期契約は5年の自動継続しか選べません。本肢は「1年単位で最長5年までを選択することができ」るとしているため誤りです。
    2022年10月以降、火災保険の保険期間は最長で5年となりました。それ以前にした契約も存在するため本肢は改題せずそのままとしています。
    住宅建物および家財を対象として火災保険を契約する場合、保険期間は最長で5年とされ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、所定の割引率が適用される。2024.9-13-3
    火災保険、地震保険ともに、保険期間を1年単位で10年まで選択することができ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、いずれも保険料に対して所定の割引率が適用される。2020.1-13-1
    地震保険の保険期間は、主契約である火災保険の保険期間を限度として、最長10年とされており、長期契約の保険料を一括払いした場合には所定の割引率が適用される。2019.5-14-2
    火災保険の保険期間は、1年単位で20年まで選択することができ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、所定の割引率が適用される。2018.9-13-2
  3. 適切。地震保険の補償対象は、地震、噴火またはこれらによる津波を直接または間接の原因とした火災、損壊、埋没または流失により、居住用建物や家財が被った損害です。地震が原因となる液状化現象については、地震保険で補償されます。
    地震を原因とする地盤液状化により、地震保険の対象である木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度または沈下の深さにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。2023.9-14-4
    地震を原因とする地盤液状化により、地震保険の対象である木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度または沈下の深さにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。2022.9-13-4
  4. 適切。火災保険では、居住用建物を補償の対象とする場合、敷地内にある物置、門、塀、給排水設備等の建物付属物も建物の一部として単独で補償の対象となります。しかし、地震保険では建物の主要構造部の損害の程度で損害区分が決定されるため、建物付属物単独の損害で保険金は支払われることはありません。
したがって不適切な記述は[2]です。