FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問13

問13

火災保険および地震保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 火災保険、地震保険ともに、保険期間を1年単位で10年まで選択することができ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、いずれも保険料に対して所定の割引率が適用される。
  2. 店舗併用住宅を対象とする場合、火災保険では、専用住宅と異なる保険料率が適用されることがあるが、地震保険では、所在地や建物の構造の区分が同一であれば、専用住宅との保険料率の差異はない。
  3. 家財を対象とする場合、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や書画、骨董品については、火災保険、地震保険ともに、契約時に申告して申込書等に明記することにより、保険の対象とすることができる。
  4. 火災保険、地震保険ともに、保険金は、保険の対象となっている建物や家財の損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分し、保険金額にその区分に応じた割合を乗じて決定される。

正解 2

問題難易度
肢15.9%
肢259.5%
肢311.2%
肢423.4%

解説

  1. 不適切。火災保険、地震保険ともに長期契約の保険料を一括払いした場合には長期割引が適用されます。火災保険は1年単位で最長5年までの保険期間を選択することができ、地震保険も付帯される火災保険の保険期間を限度として最長5年の契約となります。
    住宅建物および家財を対象として火災保険を契約する場合、保険期間は最長で5年とされ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、所定の割引率が適用される。2024.9-13-3
    火災保険の保険期間が5年を超える場合、付帯して契約する地震保険の保険期間は1年単位で最長5年までを選択することができ、5年間の長期契約の保険料を一括払いした場合は所定の割引率が適用される。2021.9-14-2
    地震保険の保険期間は、主契約である火災保険の保険期間を限度として、最長10年とされており、長期契約の保険料を一括払いした場合には所定の割引率が適用される。2019.5-14-2
    火災保険の保険期間は、1年単位で20年まで選択することができ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、所定の割引率が適用される。2018.9-13-2
  2. [適切]。火災保険では、住宅物件と一般物件で異なる料率が設定されています。専用住宅は住宅物件、店舗併用住宅は一般物件として扱われるので保険料には差があります。一方、地震保険は、建物構造と所在する都道府県の組合せにより料率区分が決まるため、同じ構造・同じ所在地であれば、専用住宅でも併用住宅でも保険料は同じです。
  3. 不適切。火災保険では、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属など(高額貴金属等)は、事前に申告して保険証券に明記された場合のみ補償対象となる「明記物件」の仕組みがあります。一方、地震保険にはこの仕組みがなく、保険の対象となる家財は生活用動産に限られることから、高額貴金属等は例外なく補償されません。
    生活用動産を対象とする地震保険において、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や書画、骨董品については、契約時に申告して申込書等に明記することにより、補償の対象とすることができる。2025.1-13-3
    地震保険では、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や書画、骨董品については、契約時に申込書に明記することにより、保険の対象とすることができる。2016.9-15-3
  4. 不適切。地震保険により支払われる保険金は、損害の割合によって「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分して、その損害の程度に応じて保険金が決まります。一方、火災保険には損害区分という仕組みがなく、契約した保険金額を上限に実際の損害額が保険金として支払われます。
    火災保険から支払われる損害保険金の額は、損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分し、再調達価額にその区分に応じた割合を乗じ、その金額から免責金額を控除して算出される。2021.9-13-2
したがって適切な記述は[2]です。