FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問13

問13

任意の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 対物賠償保険では、記名被保険者が被保険自動車を運転中にハンドル操作を誤って店舗に衝突して損壊させた場合、店舗の修理費用だけでなく、修理中の店舗の休業損害についても補償の対象となる。
  2. 対人賠償保険では、記名被保険者が被保険自動車を運転中に単独事故を起こしたことにより、同乗していた当該記名被保険者の兄が負ったケガは補償の対象となる。
  3. 人身傷害保険では、記名被保険者が被保険自動車を運転中に後続車に追突されて負傷した場合、事故の相手方との示談交渉が成立していなくても保険金が支払われる。
  4. 車両保険では、単独事故により被保険自動車が全損した場合、保険金額を限度に、実際の損害額から保険契約上の免責金額を差し引いた金額が保険金として支払われる。

正解 4

問題難易度
肢123.9%
肢229.5%
肢36.8%
肢439.8%

解説

  1. 適切。対物賠償保険は、自動車事故により他人の財物に損害を与え、損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。修理費用や再取得費用は当然に補償されますが、その事故により建物や車が使用できないことによって休業せざるを得ない場合には、休業損害や営業損失についても補償対象になります。
  2. 適切。対人賠償保険は、他人を死傷させた場合に補償の対象になるため、被害者が以下の場合には免責事由となります。
    • 被保険者
    • 被保険者の父母・配偶者・子
    • 被保険自動車の運転者とその父母・配偶者・子 など
    被保険者の兄弟姉妹は上記に該当しないため、対人賠償保険の補償対象になります。
    人身傷害保険では、被保険者が被保険自動車の運転中に事故を起こして、被保険者や同乗者に生じたケガによる治療費・休業損害や死亡・後遺障害による逸失利益等を補償する。2022.1-13-1
  3. 適切。人身傷害保険は、被保険者や同乗者が死傷した場合に保険金が支払われる保険です。事故の相手方との示談交渉が成立していなくても、過失割合にかかわらず保険金が支払われます。ケガによる治療費・休業損害や死亡・後遺障害による逸失利益のほか、介護料、葬儀費用、慰謝料等を補償します。
  4. [不適切]。修理費が保険金額未満となる分損の場合、被保険者の自己負担分である免責金額を差し引いて保険金が支払われますが、全損の場合は、免責金額は差し引かれず自己負担なしで保険金が支払われます。
    車両保険において、自損事故により被保険自動車が全損した場合、保険金額を限度に実際の損害額から契約(更新)時に設定した免責金額を差し引いた額が保険金として支払われる。2022.1-13-2
したがって不適切な記述は[4]です。