FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問19

問19

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 制度信用取引において、買建てのみが可能な銘柄は、一般に、貸借銘柄と呼ばれる。
  2. 新たに制度信用取引を行う場合に、当該信用取引に係る有価証券の約定価額が60万円であるときは、30万円以上の委託保証金が必要となる。
  3. 信用取引を行う場合、NISA口座で保有する株式を委託保証金の代用有価証券として差し入れることはできない。
  4. 一般信用取引において株式を売り建てる場合、品貸料(逆日歩)が発生することはない。

正解 1

問題難易度
肢136.7%
肢219.5%
肢39.8%
肢434.0%

解説

  1. [不適切]。貸借銘柄は売建ても可能です。制度信用取引の銘柄のうち、買建てのみができるのは「貸借融資銘柄」、買建て・売建てがともにできるのは「貸借銘柄」です。
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  2. 適切。新たに信用取引を行うときの委託保証金は、約定価額の30%以上、かつ、30万円以上とされています。よって、60万円の取引を行う際でも委託保証金は30万円必要です(内閣府令3条)。
    新たに制度信用取引を行う場合に、当該信用取引に係る有価証券の約定価額が60万円であるときは、30万円以上の委託保証金が必要となる。2021.5-21-2
    新たに制度信用取引を行う場合に、当該信用取引に係る有価証券の約定価額が80万円であるときは、30万円以上の委託保証金が必要となる。2017.1-19-3
  3. 適切。NISA口座で保有する株式は、信用取引の代用有価証券として差し入れることはできません。非課税口座であるNISA口座では現物取引のみ可能であり、信用取引は対象外です。
  4. 適切。逆日歩は、信用売りの残高が信用買いの残高より多くなり、証券会社が不足分の株式を機関投資家などから借りる際に発生するコストで、売建てした投資家が負担します。証券会社が他から資金や株式の融通を受ける(貸借取引)のは制度信用取引に限られるため、一般信用取引では逆日歩が発生することはありません。
    一般信用取引で株を売り建てた場合、逆日歩が発生することはない。2014.9-19-1
したがって不適切な記述は[1]です。