FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問18

問18

各種債券の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. コーラブル債は、債券の発行体が満期前の特定の日に早期償還することができる権利が付された債券であり、一般に、市場金利が上昇するほど早期償還される可能性が高くなる。
  2. ストリップス債は、利付債の元本部分と利子部分を分離し、元本部分は利付債の償還日を満期とする割引債、利子部分はそれぞれの利払日を満期とする割引債として販売される債券である。
  3. リバース・フローター債は、金利スワップを組み込むことで、利率が参照する金利の変動と逆方向に連動するように設計された債券であり、一般に、参照する金利が低下すると受け取る利子の額が増加する。
  4. 一般に、払込みと利払いが円貨で行われ、償還が米ドル等の外貨で行われる債券はデュアルカレンシー債と呼ばれ、払込みと償還が円貨で行われ、利払いが米ドル等の外貨で行われる債券はリバース・デュアルカレンシー債と呼ばれる。

正解 1

問題難易度
肢151.2%
肢211.5%
肢313.5%
肢423.8%

解説

  1. [不適切]。上昇ではありません。コーラブル債は、債券の発行体があらかじめ決められた条件と期日に従って、償還期限前に債券を繰上償還できる権利が付いた債券です。発行体にとっては、金利が上昇すればそのまま利払いを続けるのが有利ですが、金利が下がれば繰上償還してより低い金利で再発行するほうが得になります。したがって、市場金利が下がるほど早期償還の可能性が高まります。
  2. 適切。ストリップス債は、利付債の元本部分と利子部分が分離され、元本部分は償還日を満期、利子部分は各利払い日を満期として、それぞれが割引債(ゼロクーポン債)で販売される債券を指します。
    ストリップス債は、固定利付債の元本部分と利子部分を分離し、元本部分は利付債の償還日を満期とする割引債、利子部分はそれぞれの支払期日を満期とする割引債として販売される債券である。2022.1-19-2
  3. 適切。リバース・フローター債は、受け取る利息が市場金利の変動と逆方向に変動するように設計された仕組債です。投資家にとっては金利が低下すれば受取り利息の額が増え、金利が上昇すれば受取り利息は減少することになります。
    ストリップス債は、金利スワップを組み込むことでクーポンが市場金利と逆方向に変動するように設計された債券であり、市場金利が上昇すると受け取る金利が減少する。2023.9-17-3
    リバース・フローター債は、金利スワップを組み込むことで利率が市場金利に連動するように設計された債券であり、市場金利が上昇すると受け取る利払金が増加する特徴がある。2019.9-19-4
  4. 適切。デュアルカレンシー債は、払込みと利払いは円で、償還は外貨で行うものをいいます。なお、払込みと償還が円で、利払いは外貨で行うものをリバース・デュアルカレンシー債といいます。
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    一般に、払込みと償還が円貨で行われ、利払いが米ドル等の外貨で行われる債券はデュアルカレンシー債と呼ばれ、払込みと利払いが円貨で行われ、償還が米ドル等の外貨で行われる債券はリバース・デュアルカレンシー債と呼ばれる。2023.9-17-4
    一般に、払込みと利払いが円貨で行われ、償還が米ドル等の外貨で行われる債券はデュアルカレンシー債と呼ばれ、払込みと償還が円貨で行われ、利払いが米ドル等の外貨で行われる債券はリバース・デュアルカレンシー債と呼ばれる。2022.1-19-3
    デュアルカレンシー債は、払込みと償還が円建てで行われ、利払いが外貨建てで行われる債券であるのに対し、リバース・デュアルカレンシー債は、払込みと利払いが円建てで行われ、償還が外貨建てで行われる債券である。2019.9-19-3
したがって不適切な記述は[1]です。