FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問24
問24
消費者契約法および金融商品取引法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 消費者契約法では、消費者契約に当該契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項を定めた場合に、その額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該契約と同種の消費者契約の解除に伴って事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、当該条項のすべてが無効になるものとされている。
- 消費者契約法では、消費者契約に基づく債務の履行として給付を受けた消費者が、消費者契約の取消権に基づき当該契約の申込みの意思表示を取り消した場合に、給付を受けた当時その意思表示を取り消すことができることを知らなかったときは、当該契約により受けた利益が残っていても、その返還の義務を負わないものとされている。
- 金融商品取引法では、投資助言業務を行う金融商品取引業者等は、その助言を受けた取引により生じた顧客の損失を補填することはできないが、その助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対して財産上の利益を提供することはできるものとされている。
- 金融商品取引法では、上場会社の役員を退任して1年以内の者が、在任中に当該上場会社に係る業務等に関する重要事実を自身の職務に関して知り、退任後、その公表前に当該上場会社の株式を売買することは、原則として禁止されている。
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正解 4
問題難易度
肢13.0%
肢26.6%
肢34.6%
肢485.8%
肢26.6%
肢34.6%
肢485.8%
分野
科目:C.金融資産運用細目:12.関連法規
解説
- 不適切。すべて無効ではありません。消費者が支払うキャンセル料について、解除の事由、時期等の区分に応じて事業者に生ずべき平均的な損害額を超える額を定めた条項は、その超える部分が無効となります(消費者契約法9条1項)。消費者契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項を定めた場合、その額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該契約と同種の消費者契約の解除に伴って事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、当該超える部分は無効とされる。(2023.9-24-4)消費者契約法において、消費者契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償額を予定する条項を定めた場合に、その額が、当該契約と同種の消費者契約の解除に伴って事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、当該条項自体が無効とされる。(2021.1-24-1)
- 不適切。消費者契約法では、給付を受けた時点で取消しが可能であることを知らなかった消費者については、取消し後の原状回復義務において現存利益を返還の限度とする特則を置いています。原状回復の負担を理由に取消権の行使をためらうことがないようにすることで、消費者保護を図る目的があります(消費者契約法6条の2)。
- 不適切。金融商品取引業者等は、顧客に対し、取引前に損失保証・利益保証の申込み・約束をすること、取引後に損失補てんや利益追加の申込み・約束・実行をすることが禁止されています。また、これらを顧客側から持ち掛けることも禁止行為です(金商法39条)。
- [適切]。インサイダー取引規制により、業務等に関する重要事実を自身の職務等に関して知る上場会社の役員等は、その重要事実が公表される前に当該上場会社の株式等を売買することができません。退任等、会社関係者でなくなってから1年以内の者も規制対象となります(金商法166条1項)。金融商品取引法では、上場会社の役員を退任して1年以内の者が、在任中に当該上場会社に係る業務等に関する重要事実を自身の職務等に関して知り、退任後、その公表前に当該上場会社の株式を売買することは原則として禁止されている。(2021.1-24-4)上場会社等の会社関係者が、当該上場会社等に係る業務等に関する重要事実を、その者の職務に関し知ったうえで、その公表前に、当該上場会社等の株券等を売買することは、内部者取引として禁止されている。(2020.1-24-4)
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