FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問16
問16
米国の経済指標等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- フェデラル・ファンド(FF)金利は、連邦準備制度理事会(FRB)が行う金融政策の誘導目標金利であり、連邦公開市場委員会(FOMC)により決定される。
- 労働省労働統計局(BLS)が発表する雇用統計は、米国の雇用情勢を表す統計であり、「失業率」「非農業部門雇用者数」などの項目がある。
- 全米供給管理協会(ISM)が発表するISM製造業景況感指数は、米国の製造業の景況感を示す指標であり、50を景気の拡大・後退の分岐点とし、一般に50を上回ると景気拡大を示すとされる。
- 労働省労働統計局(BLS)が発表する消費者物価指数(CPI)と、商務省経済分析局(BEA)が発表する個人消費支出(PCE)は、いずれも米国の消費者の消費動向を示す指標であり、CPIが全米を対象とした企業調査に基づく指標であるのに対して、PCEは主に都市部の消費者を対象とした家計調査に基づく指標である。
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正解 4
問題難易度
肢16.6%
肢26.9%
肢320.8%
肢465.7%
肢26.9%
肢320.8%
肢465.7%
分野
科目:C.金融資産運用細目:1.マーケット環境の理解
解説
- 適切。FF金利(フェデラル・ファンド・レート)とは、アメリカの銀行同士がお金を融通する時に使う短期金利です。アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の中心となる金利として設定し、連邦公開市場委員会(FOMC)が約6週間ごとに開く会議で決められます。
- 適切。米国雇用統計は、アメリカの雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な経済指標の一つです。最新のアメリカ経済の実情を示す数値として、為替や株式、金利などの市場にも大きな影響を与えるため、非農業部門雇用者数や失業率といった項目は、市場関係者が特に注目しています。雇用統計は、労働省労働統計局(BLS)が発表する米国の雇用情勢を表す指標で、「失業率」「非農業部門雇用者数」などの項目がある。(2023.9-16-2)
- 適切。ISM製造業景況感指数は、アメリカの製造業の景気の状態を表す指標です。製造業の企業に対し、新規受注数・生産量・雇用状況・入荷の状況・在庫量などのアンケートを行い、その結果から数値を出しています。一般的に、この数値が50より高いと景気が拡大している、50より低いと景気が後退していると判断されます。ISM製造業景況感指数は、全米供給管理協会(ISM)が発表する米国の製造業の景況感を示す指標で、50を景況感の改善・悪化の分岐点とし、一般に50を上回ると景況感が改善していると判断される。(2023.9-16-3)
- [不適切]。CPIとPCEの調査方法が逆です。CPI(消費者物価指数)は、主に都市部の家計支出を調査し、食品・衣類など消費者が実際に買うものの価格変化を追う指標です。これに対しPCE(個人消費支出)は、全米の個人の支出情報を企業のデータなどから集めて算出したもので、幅広い消費動向の変化を示す指標です。FRBは包括的な指標であるPCEを重視しています。
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