FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問25

問25

居住者に係る所得税の不動産所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 所有する土地に建物の全部の所有を目的とする借地権を設定し、その対価として、当該土地上に住宅を建築する借地権者から当該土地の時価の2分の1以下である権利金を受け取った場合、その金額は、不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
  2. 居住の用に供していた自宅の建物を取り壊して賃貸アパートを建築し、貸付けの用に供した場合、自宅の取壊しに要した費用は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができず、賃貸アパートの取得価額に算入することもできない。
  3. 賃貸人が建物の賃貸借に伴って賃借人から受け取った敷金について、その賃貸借が終了しなければ返還を要しない金額が確定しない場合に、その賃貸借が終了し、返還を要しない金額が確定したときは、不動産所得の金額の計算上、その確定した金額を賃貸借が終了した日の属する年分の総収入金額に算入する。
  4. 賃貸アパートの家屋およびその敷地に係る固定資産税について、2025年度第3期分の納期が2025年12月1日から2026年1月5日である場合、2026年1月5日に納付した税額は、不動産所得の金額の計算上、2025年分の必要経費に算入することはできず、2026年分の必要経費に算入する。

正解 4

問題難易度
肢113.3%
肢220.9%
肢311.4%
肢454.4%

解説

  1. 適切。個人が借地権を設定したときに受け取る権利金は、原則として不動産所得に該当します。ただし、その権利金の額が土地の時価の2分の1を超える場合は、資産の譲渡があったとみなされて譲渡所得となります。本肢は「2分の1以下」なので不動産所得です(所得税法令79条)。
    所有する土地に他者の建物の所有を目的とする借地権を設定し、その対価として当該土地の時価の2分の1以下の権利金を受け取ったことによる収入は、不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。2024.5-26-4
    所有する土地に他者の建物の所有を目的とする借地権を設定し、その対価として当該土地の時価の2分の1以下である権利金を受け取ったことによる収入は、不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。2021.1-26-2
    個人が自らの土地に他人の建物を建設させるために借地権を設定し、その対価として当該土地の時価の2分の1を超える権利金を受け取ったことによる収入は、当該契約をした年分における不動産所得の総収入金額に算入する。2017.1-26-3
  2. 適切。個人が支出した建物の建替え等に係る取壊し費用は、建物の現況および取壊しの目的によって実務上は下表のように取り扱われています。取壊し費用が不動産所得上の必要経費になるのは、原則として「貸付用→貸付用」の建替えの場合のみです。本肢は「自宅用→貸付用」を目的とするため家事費(個人の消費生活上の費用)に該当し、必要経費・取得費用にはできません。
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    居住の用に供していた建物を取り壊して賃貸アパートを建築し、貸付の用に供した場合、自宅の取壊しに要した費用は、不動産所得の金額の計算上、必要経費とはならないが、賃貸アパートの取得価額に算入することができる。2024.5-26-3
    居住の用に供していた自宅の建物を取り壊し、その敷地上に賃貸アパートを建築して貸付の用に供した場合、自宅の取壊しに要した費用は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる。2023.5-26-4
    居住の用に供していた自宅の建物を取り壊して賃貸アパートを建築し、貸付の用に供した場合、自宅の取壊しに要した費用は、不動産所得の金額の計算上、必要経費とはならないが、賃貸アパートの取得価額に算入することができる。2021.1-26-4
  3. 適切。敷金や保証金のうち返還を要しないものは、返還を要しないことが確定したときが収入計上時期となります。本肢の場合、賃貸借契約が終了した日に返還不要額が確定するため、貸付け終了日が属する年分の不動産所得の総収入金額に算入します(所基通36-7)。
  4. [不適切]。各種所得の金額の計算上必要経費に算入する租税は、その年の12月31日までに納付すべきことが確定しているものについては、その年分の必要経費とするのが原則です。ただし、固定資産税のように分割納付する税については、実際に納付した日の属する年分の必要経費とすることもできます。
    本肢では、2025年度第3期分を2026年1月5日に納付しているため、納付額が確定した2025年分とすることも、実際に納付した2026年分とすることもできます。
したがって不適切な記述は[4]です。