FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問46

問46

相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 契約者(=保険料負担者)および被保険者を父、保険金受取人を子とする終身保険において、契約者貸付金の額が控除された死亡保険金を子が受け取った場合、子は契約者貸付金の額が控除される前の金額に相当する死亡保険金を相続により取得したものとみなされ、契約者貸付金の額に相当する金額は父の債務とみなされる。
  2. 契約者(=保険料負担者)および被保険者を母、保険金受取人を子とする定期保険において、母がリビング・ニーズ特約に基づき生前に受け取った保険金のうち、母の医療費の支払に充てられた後の相続開始時点における残額を子が相続により取得した場合、その残額について死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
  3. 会社員である妻の死亡により、妻に支給されるべきであった退職手当金を受け取った夫が死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けるためには、その適用後の相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であっても、相続税の申告書を提出しなければならない。
  4. 会社員である夫の死亡により、夫に支給されるべきであった退職手当金を受け取った妻が相続の放棄をした場合、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることはできない。

正解 4

問題難易度
肢113.1%
肢220.6%
肢39.3%
肢457.0%

解説

  1. 不適切。被相続人が生前に契約者貸付金を利用していた場合、死亡保険金と契約者貸付金の額は相殺され、借入額が控除された保険金が支払われます。このとき相続税の課税上は、実際に受け取った死亡保険金の額を取得したものとし、契約者貸付金の返済債務はなかったものとされます(相基通3-9)。
    被相続人が契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険において、死亡保険金の額から契約者貸付金の額が控除された保険金を相続人が受け取った場合、控除された契約者貸付金の額を当該保険金に加算した金額に相当する保険金を相続または遺贈により取得したものとみなされる。2023.9-46-4
  2. 不適切。リビングニーズ特約により生前に受け取った保険金の残額は、被相続人の本来の相続財産として相続税の課税対象となります(相基通3-7)。死亡保険金としては扱われないため、死亡保険金の非課税枠の適用はありません。受取り時に所得税で非課税とされるため、相続時に重ねて非課税とする必要はないとも理解できます。
    契約者(=保険料負担者)および被保険者を父、死亡保険金受取人を子とする終身保険において、父の死亡により死亡保険金を受け取った子が相続の放棄をした場合、当該死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。2025.5-47-1
  3. 不適切。死亡保険金や死亡退職金の非課税の規定の適用を受け、相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告は不要です。
    死亡保険金受取人となっている相続人が、受け取った死亡保険金について死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けるためには、適用後の相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であっても、相続税の申告書を提出しなければならない。2021.5-46-4
    死亡保険金受取人となっている相続人が受け取った死亡保険金について死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けるためには、適用後の相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であっても、相続税の申告書を提出しなければならない。2018.9-45-4
  4. [適切]。死亡退職金の非課税の規定は、相続人の取得した退職手当金等であることが要件となっています。したがって、相続を放棄した者または相続権を失った者が取得した退職手当金については、死亡退職金の非課税の規定の適用を受けることはできません(相基通12-10)。
したがって適切な記述は[4]です。