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法人税(全69問中47問目)
No.47
法人税における減価償却に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。2018年1月試験 問31
- 減価償却費を損金の額に算入するにあたっては、確定した決算において償却費として損金経理することが要件とされている。
- 2024年中に取得した建物、建物附属設備および構築物については、「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出の有無にかかわらず、定率法を選択することはできない。
- 取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産については、青色申告法人ではない法人であっても、事業の用に供した事業年度においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。
- 固定資産の通常の維持管理または原状回復のために支出する修理・修繕の費用で、その支出の効果が1年以上に及ぶものについては、原則として、その支出の効果の及ぶ期間を基礎として減価償却することにより費用化する。
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正解 4
問題難易度
肢111.2%
肢227.9%
肢311.8%
肢449.1%
肢227.9%
肢311.8%
肢449.1%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
- 適切。法人税法上の所得金額の計算上損金の額に算入する減額償却費の額は、法人がその事業年度において償却費として損金処理した金額のうち、法令で定める償却方法で計算した額までとなります。つまり、損金の額に計上するには法人の経理上損金として処理されていなければなりません(法人税法31条1項)。
- 適切。2016年(平成28年)4月1日以降に取得した建物附属設備および構築物は、定額法によって減価償却しなければなりません。それ以前は定率法も認められていましたが、改正により一本化されています(法人税法令48条の2第1項1号イ)。当期に取得した建物、建物附属設備および構築物については、「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出の有無にかかわらず、定率法を選択することができない。(2024.9-30-3)
- 適切。少額減価償却資産の特例として、取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産は、青色申告法人であるか否かにかかわらず、その取得価額の全額を当該事業年度の損金として算入することができます(法人税法令133条)。当期に取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、その使用可能期間の長短にかかわらず、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。(2024.9-30-1)当期に使用可能期間が1年以上である取得価額8万円の減価償却資産を取得して貸付の用に供した場合、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。(2022.9-32-1)常時使用する従業員の数が1,000人の青色申告法人である中小企業者が、当期に取得価額25万円の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。(2022.9-32-2)当期に取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得して事業(貸付けを除く)の用に供した場合、その使用可能期間の長短にかかわらず、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。(2021.1-30-2)当期に取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、青色申告法人ではない法人であっても、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。(2019.5-31-2)使用可能期間が1年未満である減価償却資産を取得し、事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する額を損金経理した場合には、当該事業年度において取得価額の全額を損金の額に算入することができる。(2015.9-30-1)取得価額が30万円である減価償却資産を取得し、事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する額を損金経理した場合には、10万円を当該事業年度以後3年間にわたって損金の額に算入することができる。(2015.9-30-2)
- [不適切]。事業用資産について維持管理や修繕のために支出した費用は、その資産の価値や耐久性を高めるような資本的支出でない限りは、原則として全額が損金となります。一方、資本的支出と認められる場合には、その年度に一括して費用化するのではなく新たな減価償却資産を取得したものとして耐用年数により減価償却しなければなりません。
なお、資本的支出に該当する場合でも次の掲げる場合は修繕費として損金とすることが認められています。- 少額または周期の短い費用
- 1回の修理・改良の額が20万円に満たないもの、もしくは3年以内の周期で行われることが明らかであるもの
- 資本的支出か修繕費であるか明らかでない支出
- 金額が60万円未満、もしくは金額が固定資産の前期末の価額の10%相当額以下である場合
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