FP1級過去問題 2021年1月学科試験 問30

問30

内国法人に係る法人税における減価償却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、当期とは2023年4月1日から2024年3月31日までの事業年度であるものとする。
  1. 生産調整のために稼働を休止している機械装置については、事業の用に供していないため、必要な維持補修が行われていつでも稼働し得る状態にあるものであっても、その償却費を損金の額に算入することはできない。
  2. 当期に取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、その使用可能期間の長短にかかわらず、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。
  3. 当期において取得した取得価額が30万円未満の減価償却資産について「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用を受けることができる法人は、中小企業者等で青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人とされている。
  4. 事業の用に供している減価償却資産の償却方法を変更する場合、原則として、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日から2カ月以内に「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

正解 2

問題難易度
肢14.2%
肢272.5%
肢38.9%
肢414.4%

解説

  1. 不適切。減価償却は事業の用に供していることが要件になるため、生産調整のために稼働を休止している機械装置については、原則として減価償却することはできません。しかし、必要な維持補修が行われていつでも稼働し得る状態にある場合は、その償却費を損金の額に算入することができることになっています。
    当期に生産調整のために稼働を休止している機械装置であっても、その休止期間中必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものについては、その減価償却費を損金の額に算入することができる。2024.5-29-3
  2. [適切]。取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産は、その取得価額の全額をその事業年度の損金の額に算入することができます(少額減価償却資産の特例)。
    主要な事業として行われる貸付の用に供した減価償却資産は、取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満であっても、事業の用に供した事業年度に全額を損金経理により損金の額に算入することはできない。2024.5-29-1
    当期に取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、青色申告法人ではない法人であっても、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。2019.5-31-2
    取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産については、青色申告法人ではない法人であっても、事業の用に供した事業年度においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。2018.1-31-3
  3. 不適切。「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用を受けると、取得価額が30万円未満の減価償却資産(貸付に供したものを除く)について、取得価額の全額をその事業年度に一括して損金算入できます。この特例を使えるのは、青色申告法人である中小企業者等で常時使用する従業員の数が500人(電子申告義務のある特定法人は300人)以下の法人に限られます。
    当期において取得した取得価額が30万円未満の減価償却資産について「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用を受けることができる法人は、中小企業者等で青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が500人以下の法人に限られる。2019.5-31-4
  4. 不適切。減価償却資産の償却方法を変更する場合、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し承認を受けなければなりません。
    事業の用に供している減価償却資産について選定した償却方法を変更する場合、原則として、その新たな償却方法を採用しようとする年の前年12月31日までに申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2024.5-29-4
したがって適切な記述は[2]です。