FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問18(改題)

問18

「非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得および譲渡所得等の非課税措置」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、当該非課税口座を「NISA口座」という。
  1. NISA口座内の上場株式等の譲渡損失の金額については、確定申告を行うことにより、同じNISA口座で受け取った配当金等と損益通算することができる。
  2. NISA口座で受け入れた上場株式の配当は、その受領方法が株式数比例配分方式である場合に限り、非課税の適用を受けることができる。
  3. 2024年中に開設したNISA口座に設けられた非課税管理勘定に上場株式を受け入れた場合でも、その翌年中に別の金融機関にNISA口座を開設し、当該NISA口座に非課税管理勘定を設定することができる。
  4. 2024年以降のNISA口座に設定される成長投資枠(特定非課税管理勘定)では、国内外の上場株式や公募株式投資信託を投資対象商品とするが、信託期間20年未満の投資信託や毎月分配型の投資信託は投資対象商品から除外されている。

正解 1

問題難易度
肢162.9%
肢25.1%
肢311.2%
肢420.8%

解説

  1. [不適切]。NISA口座内で生じた譲渡損失額は「なかったもの」とみなされるので、同じNISA口座内および課税口座(特定口座や一般口座)内の上場株式等の配当金等や譲渡益と損益通算することはできません。また、損失額を繰越控除することもできません。
  2. 適切。配当金の受取方法には、①株式数比例配分方式、②配当金領収証方式、③登録配当金受領口座方式、④個別銘柄指定方式の4種類がありますが、NISA口座で受け取った配当金や分配金を非課税扱いするためには「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
    【参考】株式数比例配分方式を選択することで、非課税口座で保有する株式の配当は非課税口座に、課税口座で保有している株式の配当は課税口座に入金されることになります。他の方式では非課税口座と課税口座の配当が区別されずにまとめて支払われ、どの口座で買い付けた株式の配当なのか区別できないので非課税になりません。
  3. 適切。NISA口座を開設する金融機関は、前年の10月1日からその年の9月30日までに手続きを行うことで1年単位で変更することが可能ですが、既にその年に買付けを行っている場合は変更することはできません。また、同一年中に成長投資枠とつみたて投資枠を別々の金融機関に設定することはできません。
    2024年中に開設したNISA口座の非課税管理勘定に上場株式を受け入れた場合であっても、その翌年中に別の金融機関にNISA口座を開設して、当該NISA口座に非課税管理勘定を設定することは可能である。2018.9-23-2
  4. 適切。成長投資枠では、2023年までの一般NISAと同じく国内外の上場株式・株式投資信託・REITなどを買い付けることができますが、株式のうち整理・管理銘柄に該当するもの、投資信託のうち信託期間が20年未満、高レバレッジ型、毎月分配型には投資することができません。
したがって不適切な記述は[1]です。