FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問30

問30

法人税の申告等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 法人は、原則として、各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に、所轄税務署長に対し、確定申告書を提出しなければならない。
  2. 事業年度が6カ月を超える普通法人は、原則として、当該事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に中間申告書を提出しなければならない。
  3. 中間申告書を提出すべき法人がその申告書を期限までに提出しなかった場合には、前年度実績による中間申告書の提出があったものとみなされる。
  4. 過去に行った確定申告について、国税に関する法律の規定に従っていなかったこと、また計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として法定申告期限から3年以内に限り、更正の請求をすることができる。

正解 4

問題難易度
肢14.6%
肢27.7%
肢318.6%
肢469.1%

解説

  1. 適切。法人は、原則として事業年度末から2カ月以内に、納税地の所轄税務署長に対し確定申告書を提出しなければなりません(法人税法74条)。
    法人は、原則として、各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に、納税地の所轄税務署長に対し、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付した確定申告書を提出しなければならない。2022.5-30-3
  2. 適切。法人は、原則として事業年度開始後6カ月経過日から2カ月以内に、納税地の所轄税務署長に対し中間申告をしなければなりません(法人税法71条)。
    内国法人である普通法人は、事業年度が6カ月を超える場合、原則として、納税地の所轄税務署長に対し、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に法人税の中間申告書を提出し、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に法人税の確定申告書を提出することとされている。2021.9-30-3
    内国法人である普通法人は、事業年度が6カ月を超える場合、原則として、納税地の所轄税務署長に対し、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に法人税の中間申告書を提出し、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に法人税の確定申告書を提出することとされている。2018.9-30-3
  3. 適切。中間申告がないときには、前期の実績による中間申告書を提出したとみなされます。この場合、前事業年度に係る法人税等の半分を中間納付することになります(法人税法73条)。
    中間申告書を提出すべき法人がその申告書を期限までに提出しなかった場合には、前年度実績による中間申告(予定申告)があったものとみなされる。2022.5-30-2
  4. [不適切]。法人税の更正の請求は、原則として法定申告期限から5年間できます(国税通則法23条)。所得税・相続税も5年間ですが、例外的に贈与税だけは6年間となっているので注意が必要です(相続税法32条2項)。
    過去に行った確定申告について、計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であることや、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過少であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。2022.5-30-4
    過去に行った確定申告について、計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。2021.9-30-4
したがって不適切な記述は[4]です。