FP1級過去問題 2016年1月学科試験 問16(改題)

問16

景気動向指数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された景気指標であり、内閣府により毎月公表される。
  2. 景気動向指数に採用されている経済指標は、先行指数が11系列、一致指数が10系列、遅行指数が9系列の合計30系列となっている。
  3. CI(コンポジット・インデックス)は、採用系列の各月の値を3カ月前と比べた変化方向を合成して作成した指数であり、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いの測定を主な目的としている。
  4. 景気転換点の判定には、一致指数を構成する個別指標ごとに統計的手法を用いて山と谷を設定し、谷から山に向かう局面にある指標の割合を算出したヒストリカルDI(ディフュージョン・インデックス)が用いられている。

正解 3

問題難易度
肢16.9%
肢218.9%
肢361.2%
肢413.0%

解説

  1. 適切。内閣府のHPでは景気動向指数の統計の目的を以下のように説明しています。
    「景気動向指数は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標である」
    景気動向指数は内閣府により毎月公表されるので適切な記述です。
  2. 適切。景気動向指数の採用系列には、数カ月先の景気の動きを示す先行指数、景気の現状を示す一致指数、半年から1年遅れで反応する遅行指数と3つの指数に大別され、定期的に見直されています。2022年7月現在、先行指数11、一致指数10、遅行指数9の合計30系列となっています。
  3. [不適切]。景気動向指数にはCIとDIがあります。
    CI(コンポジット・インデックス)
    主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする、採用系列の各月の値を前月の値と比較
    DI(ディフュージョン・インデックス)
    景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを主な目的とする、採用系列の各月の値を3か月前の値と比較する
    本肢の指数作成方法と作成目的はいずれもDI(ディフュージョン・インデックス)の説明なので誤りです。
    景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、採用系列の前月と比べた変化の大きさを合成して作成された指数であり、CI一致指数の動きと景気の転換点はおおむね一致する。2019.9-16-1
    景気動向指数において、一般に、CI(コンポジット・インデックス)の一致指数が上昇しているときは景気の拡張局面であり、一致CIの動きと景気の転換点はおおむね一致する。2015.9-16-1
  4. 適切。ヒストリカルDIとは、個々の採用系列に山と谷を設定し、谷から山にいたる期間はすべて上昇、山から谷にいたる期間はすべて下降として、DIを算出したもので、景気転換点の判定に用いられます。
したがって不適切な記述は[3]です。