FP1級過去問題 2017年9月学科試験 問25
問25
居住者に係る所得税等の配当所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 内国法人から支払を受ける非上場株式の配当について、受け取った株主が有する当該株式数が当該発行会社の発行済株式総数の3%以上である場合、受け取った配当の金額にかかわらず、確定申告不要制度を選択することはできない。
- 内国法人から支払を受ける非上場株式の配当については、受け取った株主が有する当該株式の保有割合にかかわらず、配当の金額に20.315%の税率を乗じて計算した金額に相当する税額が源泉(特別)徴収される。
- 内国法人から支払を受ける上場株式の配当に係る配当所得について確定申告をする場合は、その申告をする上場株式の配当に係る配当所得のすべてについて、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択しなければならない。
- 内国法人から支払を受ける非上場株式の配当に係る配当所得については、確定申告による総合課税を選択したとしても、配当控除の適用を受けることはできない。
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正解 3
問題難易度
肢117.8%
肢211.3%
肢358.4%
肢412.5%
肢211.3%
肢358.4%
肢412.5%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:3.各種所得の内容
解説
配当所得の課税関係については以下の出題ポイントを確認しておきましょう。
- 不適切。大口株主等も申告不要を選択できる場合もあります。株式の配当は、上場株式・非上場株式にかかわらず、少額配当(1回の支払いが年換算で10万円以下)に該当すれば確定申告不要とすることができます。これは、その会社の発行済株式総数の3%以上を有する個人(いわゆる大口株主等)が受け取る配当でも同じです。
- 不適切。「非上場株式の配当」および「大口株主等が受け取る上場株式等の配当」については、支払金額に対して20.42%(所得税+復興特別所得税)が源泉徴収されます。上場株式等の場合は受け取る者の株式保有割合によって源泉徴収方法が変わりますが※、非上場株式は一律です。
※大口株主等以外は、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%を合わせた20.315%の源泉徴収非上場株式の配当は、配当を受け取った株主が有する当該非上場株式の数にかかわらず、その支払の際に、配当の金額に20.42%の税率を乗じて計算した金額に相当する税額が源泉徴収される。(2024.9-25-1)非上場株式の配当について、受け取った株主が有する当該株式数が当該発行会社の発行済株式総数の3%以上である場合、その支払の際に配当の金額に20.315%の税率を乗じて計算した金額に相当する税額が源泉徴収される。(2021.1-25-1)内国法人から支払を受ける非上場株式の配当については、受け取った株主が有する当該株式の保有割合にかかわらず、その支払の際に所得税および復興特別所得税が源泉徴収され、住民税は特別徴収されない。(2019.9-25-2) - [適切]。上場株式等の配当所得の確定申告をする場合は、確定申告をする上場株式等に係る配当等のすべてについて、総合課税と申告分離課税のどちらか片方を選択することになります(大口株主等を除く)。配当ごとに選択できるのは確定申告不要制度を選択するか否かです。
- 不適切。非上場株式に係る配当所得についても、総合課税を選択すれば配当控除の適用を受けることができます。J-REIT(上場不動産投資信託)の分配金に係る配当所得は、総合課税や申告分離課税を選択することができ、総合課税を選択した場合、配当控除の適用を受けることができる。(2024.9-25-4)内国法人から支払を受ける上場株式の配当について、確定申告において申告分離課税を選択した場合、配当控除の適用を受けることができる。(2022.9-26-4)ETF(上場投資信託)やJ-REIT(上場不動産投資信託)の分配金に係る配当所得は、上場株式の配当と同様に、総合課税や申告分離課税を選択することができ、総合課税を選択した場合は配当控除の適用を受けることができる。(2021.1-25-4)内国法人から支払を受ける上場株式の配当で、確定申告において総合課税または申告分離課税を選択した配当所得については、配当控除の適用を受けることができる。(2016.1-26-4)
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