FP1級過去問題 2024年5月学科試験 問13

問13

任意加入の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別料率制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 18等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に他の自動車と接触し、対人・対物賠償保険、人身傷害(補償)保険、車両保険の保険金がそれぞれ支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」であり、更新後の等級は15等級となる。
  2. 16等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に電柱に衝突する事故を起こした後、当該車両が台風により被害に遭い、同一保険期間中に2回、車両保険の保険金が支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」と「ノーカウント事故」となり、更新後の等級は13等級となる。
  3. 事故有係数適用期間とは、「3等級ダウン事故」の場合は3年間、「1等級ダウン事故」の場合は1年間、「事故有」の割増引率が適用される期間で、適用期間中に事故がなければ「無事故」の割増引率に戻るが、適用期間中に再び事故を起こすと、8年を限度に適用期間が延長される。
  4. 前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「1等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者は、それぞれの保険料に適用される割引率は同じである。

正解 1

問題難易度
肢164.8%
肢210.9%
肢317.8%
肢46.5%

解説

任意自動車保険のノンフリート等級別料率制度は、契約者の前契約の有無や事故歴に応じて1等級から20等級(一部の共済では上限22等級)に区分し、等級ごとに保険料の割増・割引を行う制度です。等級の数字が大きいほど大きな割引を受けられる仕組みになっています。

新規加入時は6等級からスタートし、1年間無事故ならば7等級にアップするというように、1年で1等級ずつ上がっていきます。ただし、事故を起こして保険を使った場合には原則として3等級ダウンします(10等級で事故を起こすと次回更新時は7等級)。

また、保険を使っても例外的に1等級下がるだけで済む「1等級ダウン事故」、等級に影響しない「ノーカウント事故」があります。
1等級ダウン事故
火災・爆発や台風・洪水といった自然災害や、盗難・落書き・いたずら・飛び石との衝突などの偶然な事故によって、車両保険等を使用した事故
※保険始期日が2012年9月30日以前の場合「等級すえおき事故」として扱われる
ノーカウント事故
人身傷害保険、搭乗者傷害保険、個人賠償特約、ファミリーバイク特約等からのみ保険金が支払われた事故
  1. [適切]。対人・対物賠償保険が含まれるので「3等級ダウン事故」となります。翌年は18等級から3等級ダウンした15等級になります。本肢のように1つの事故で複数の保険を使った場合でも、最大で3等級ダウンです。
  2. 不適切。電柱に衝突する事故は「3等級ダウン事故」、台風による被害は「1等級ダウン事故」に当たります。1年間に複数回の等級ダウン事故を起こした場合、その等級ダウンを合計した分が翌年に適用されます。したがって、翌年は16等級から「3+1=4等級」下がって12等級になります。
  3. 不適切。事故有係数は、直近の事故歴がある人の保険料を割高にする仕組みです。3等級ダウン事故であれば3年間、1等級ダウン事故であれば1年間、現在の事故有係数適用期間に加算する形で適用されます。事故有係数適用期間は最大で6年間です。
  4. 不適切。同じ等級でも"事故あり"でその等級になった場合、事故有係数が適用されるため、"事故なし"でその等級になった人よりも保険料が高くなります。
したがって適切な記述は[1]です。