FP1級過去問題 2019年1月学科試験 問5(改題)

問5

確定給付企業年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 確定給付企業年金の加入者は、原則として、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者であるが、特定の者に不当に差別的な取扱いでなければ、規約において、職種、勤続期間や年齢等により、加入者となることについて一定の資格を定めることができる。
  2. 確定給付企業年金の掛金は、規約の定めと加入者本人の同意があれば、加入者本人がその一部を負担することができ、加入者本人が負担した掛金は生命保険料控除の対象となる。
  3. 確定給付企業年金では、規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めることはできない。
  4. 確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。

正解 4

問題難易度
肢17.4%
肢225.7%
肢316.2%
肢450.7%

解説

  1. 適切。実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者は、原則として確定給付企業年金の加入者となりますが、職種、勤続期間、年齢、希望者など、規約により加入者となることについての一定の資格を定めることができ、その資格を有しない者については加入者としない取扱いができます(DB法25条2項)。
    確定給付企業年金の加入者は、実施事業所に使用されるすべての厚生年金保険の被保険者であり、一部の従業員を加入者から除外することはできない。2022.9-6-2
  2. 適切。確定給付企業年金の掛金は、原則、事業主が支払いますが、規約の定めと加入者本人の同意があれば、加入者本人が掛金の総額の2分の1の範囲内で掛金を負担することができます。なお、加入者本人が負担した掛金は生命保険料控除の対象となります(DB法35条)。
    確定給付企業年金は、規約の定めと加入者の同意があれば、掛金総額の2分の1を超えない範囲内で加入者が掛金を負担することができる。2022.9-6-3
  3. 適切。確定給付企業年金は、原則として60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したときを満たした場合に支給になりますが、支給要件として20年を超える加入者期間を設定することはできません(DB法36条4項)。
    確定給付企業年金では、規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めることはできない。2021.5-6-1
    確定給付企業年金では、規約において老齢給付金の受給資格を付与する期間を25年とすることができる。2016.9-6-2
  4. [不適切]。確定給付企業年金の老齢給付金は、以下のいずれかの要件を満たしたときに支給になります(DB法令36条2項・3項)。
    • 60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき
    • 50歳以上で70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したとき
    本肢は退職の方の年齢要件を「40歳以上」としているので誤りです。
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2022.9-6-4
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2021.5-6-2
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上60歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2016.9-6-3
したがって不適切な記述は[4]です。