FP1級過去問題 2019年9月学科試験 問34

問34

筆界特定制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 筆界特定は、所有権の及ぶ範囲を特定するものではなく、一筆の土地とこれに隣接する他の土地との筆界の現地における位置またはその範囲を特定するものである。
  2. 筆界特定は、対象となる土地の所有権の登記名義人が複数いる場合であっても、共有登記名義人の1人が単独でその申請をすることができる。
  3. 筆界特定書の写しは、隣地所有者などの利害関係を有する者でなくても、対象となった土地を管轄する法務局または地方法務局においてその交付を受けることができる。
  4. 法務局に筆界特定の申請を行う場合、筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する土地の合計面積に応じて定められた申請手数料と測量費用を負担する必要がある。

正解 4

問題難易度
肢17.2%
肢216.8%
肢310.3%
肢465.7%

解説

「筆界」とは、土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた登記上の境界線です。筆界特定制度は、土地の所有者などの申請に基づいて、筆界特定登記官が現地における土地の筆界の位置を公的に特定する制度です。

FP試験における筆界特定制度の出題ポイントは次の通りです。
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  1. 適切。筆界特定は、登記上の境界線の現地での位置を特定するものであり、所有権の及び範囲を決定するものではありません。
    筆界特定は、所有権の範囲を特定するものではなく、一筆の土地とこれに隣接する他の土地との筆界の現地における位置を特定することである。2014.9-35-1
  2. 適切。筆界特定は、土地の共有者の1人が単独で申請することが可能です。
    筆界特定は、土地の所有権登記名義人が複数いる場合でも、共有登記名義人の1人が単独で申請することができる。2014.9-35-3
  3. 適切。筆界特定書の写しは、利害関係の有無にかかわらず誰でも交付請求できます。
    筆界特定書の写しは、隣地所有者などの利害関係を有する者でなくても、対象となった土地を管轄する登記所においてその交付を受けることができる。2018.1-34-4
    筆界特定がなされた場合、対象となった土地の登記記録にその旨が記録されるが、筆界特定書の写しは、隣地所有者等の利害関係を有する者でなくても、対象となった土地を管轄する登記所においてその交付を受けることができる。2015.9-34-4
    筆界特定書の写しは、隣地所有者等の利害関係を有するものでなくても、その交付を受けることができる。2014.9-35-4
  4. [不適切]。申請手数料と測量費用は、合計面積ではなく合計価格によって決まります。
    法務局に筆界特定の申請を行う場合における申請手数料は、筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する土地の合計面積によって決まる。2015.9-34-3
したがって不適切な記述は[4]です。