FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問33
問33
X株式会社(以下、「X社」という)とその役員の間の取引における法人税および所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
- 役員が所有する資産を適正な時価よりも高い価額でX社に譲渡した場合、X社側では時価と買入価額との差額について、役員に対して給与を支払ったものとして取り扱われ、役員側では時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
- X社が所有する社宅をその規模等に応じた所定の方法により計算した通常支払われるべき賃貸料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側では実際に支払った賃貸料との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
- 権利金を授受する慣行がある地域において、役員が所有する土地をX社に建物の所有を目的として賃貸する場合に、X社から役員に権利金や相当の地代の支払がなく、「土地の無償返還に関する届出書」の提出がないときには、X社側では原則として借地権の受贈益が認定課税される。
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正解 1
問題難易度
肢165.7%
肢29.0%
肢312.5%
肢412.8%
肢29.0%
肢312.5%
肢412.8%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:14.会社・役員間及び会社間の税務
解説
- [不適切]。役員から法人に対して所有する資産を時価より低額で譲渡したときは、法人側は時価で取得したとして譲渡価額との差は受贈益となります。役員側の税務は、譲渡価額が時価の2分の1以上か未満かによって次のように異なります。
- 時価の2分の1以上で譲渡
- 譲渡価額が譲渡収入となる
- 時価の2分の1未満で譲渡
- 譲渡価額と時価の差額はみなし譲渡所得とされ、時価が譲渡収入となる
※譲渡価額+みなし譲渡所得=時価
役員が所有する資産を適正な時価よりも高い価額でX社に譲渡した場合、X社側では時価と買入価額との差額について、役員に対して給与を支払ったものとして取り扱われ、役員側では時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2021.9-33-2)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2020.9-33-1)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2019.5-33-1)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2019.5-33-2)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとみなされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2018.1-33-2)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2016.1-33-1)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得として課税される。(2016.1-33-2)役員が所有する資産を適正な時価の3分の2の価額で法人に譲渡した場合、法人側では時価と買入価額との差額が受贈益として取り扱われ、役員側では譲渡価額と取得費等の差額が譲渡所得として課税される。(2014.1-32-3)役員が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で法人に譲渡した場合、法人側では時価と買入価額との差額について、役員に対して給与を支払ったものとして取り扱われ、役員側では時価と譲渡価額との差額が給与所得として課税される。(2014.1-32-4) - 適切。役員が適正な時価よりも高い価額で法人に譲渡すると役員が得をすることになります。時価と譲渡価額との差は、法人側で役員給与(損金不算入)として処理され、役員側では給与所得として課税対象となります。役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2021.9-33-1)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2020.9-33-1)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2019.5-33-1)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2019.5-33-2)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとみなされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2018.1-33-2)X社が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、X社側では時価で譲渡したものとされ、譲渡価額と時価との差額が受贈益として益金算入となる。(2016.1-33-1)役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得として課税される。(2016.1-33-2)役員が所有する資産を適正な時価の3分の2の価額で法人に譲渡した場合、法人側では時価と買入価額との差額が受贈益として取り扱われ、役員側では譲渡価額と取得費等の差額が譲渡所得として課税される。(2014.1-32-3)役員が所有する資産を適正な時価よりも高い価額で法人に譲渡した場合、法人側では時価と買入価額との差額について、役員に対して給与を支払ったものとして取り扱われ、役員側では時価と譲渡価額との差額が給与所得として課税される。(2014.1-32-4)
- 適切。法人が所有する社宅を通常の賃料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側は、通常支払うべき賃貸料と実際に支払った賃貸料との差額分の現物支給があったものとして、給与所得の収入金額として課税対象となります。X社が所有する社宅をその規模等に応じた所定の方法により計算した通常支払われるべき賃貸料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側では実際に支払った賃貸料との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2020.9-33-4)X社が所有する社宅をその規模等に応じた所定の方法により計算した通常支払われるべき賃貸料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側では通常支払うべき賃貸料と実際に支払った賃貸料との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2019.5-33-4)X社が所有する社宅をその規模等に応じた所定の方法により計算した通常支払われるべき賃貸料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側では実際に支払った賃貸料との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。(2018.1-33-1)
- 適切。少なくとも一方が法人である賃貸借で、借地権の認定課税を避けるには3つの方法があります。
- 権利金を支払う
- 相当の地代(地価の6%/年)を支払う
- 「土地の無償返還に関する届出書」を提出する
権利金を授受する慣行がある地域において、役員が所有する土地をX社に建物の所有を目的として賃貸する場合に、X社から役員に権利金や相当の地代の支払がなく、「土地の無償返還に関する届出書」の提出がないときには、X社側では原則として借地権の受贈益が認定課税される。(2020.9-33-2)役員が所有する土地をX社に建物の所有を目的として賃貸する場合に、X社から役員に権利金の支払がないときは、原則として、X社側では借地権相当額が受贈益として益金算入となり、役員側では借地権相当額が譲渡所得の収入金額として課税対象となる。(2018.1-33-4)権利金を授受する慣行がある地域において、役員が所有する土地をX社に建物の所有を目的として賃貸する場合に、X社から役員に権利金や相当の地代の支払がなく、「土地の無償返還に関する届出書」の提出がないときには、X社側では原則として借地権の受贈益が認定課税される。(2016.1-33-3)
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