FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問13

問13

地震保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 契約する火災保険の保険料払込方法が一括払いで保険期間が5年の場合、当該火災保険の契約時に付帯する地震保険は、保険期間1年の自動継続または保険期間を5年とする長期契約のいずれかを選択する。
  2. 地震保険の保険料の免震建築物割引の割引率は、居住用建物の耐震等級に応じて3つに区分されており、割引率は最大50%である。
  3. 地震を原因とする津波により、地震保険の対象である居住用建物の流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合、全損と認定される。
  4. 地震を原因とする地盤液状化により、地震保険の対象である木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度または沈下の深さにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。

正解 2

問題難易度
肢125.2%
肢242.0%
肢329.0%
肢43.8%

解説

  1. 適切。地震保険の保険期間は、主契約である火災保険の保険期間を限度として最長5年です。火災保険の保険期間が5年の場合、契約時に1年の自動継続または5年とする長期契約のいずれかを選択します。
  2. [不適切]。免震建築物割引の割引率は50%だけなので本肢は誤りです。
    地震保険料の割引制度には、免震建築物割引(50%)、耐震等級割引(10~50%)、耐震診断割引(10%)、建築年割引(10%)の4種類があります。居住用建物の耐震等級に応じて50%、30%、10%の3区分の割引率があるのは、耐震等級割引です。
    地震保険の保険料の耐震診断割引は、居住用建物の耐震等級に応じて50%、30%、10%の3区分の割引率がある。2022.1-14-2
    地震保険の保険料割引制度による割引率は、「耐震診断割引」が10%、「建築年割引」が10%、「免震建築物割引」が50%、「耐震等級割引」が居住用建物の耐震等級に応じて10%、30%、50%の3区分となっている。2019.5-14-1
    地震保険の保険料には、「免震建築物割引」「耐震等級割引」「耐震診断割引」「建築年割引」の4種類の割引制度が設けられており、所定の要件を満たせば、基本料率に対して最大で50%の割引率が適用される。2015.10-14-2
  3. 適切。地震保険の損害区分は、主要構造部、焼失・流出した部分の床面積、家財の損害額の別で決まります。流出した部分の床面積が70%以上は全損、50%以上70%未満は大半損、20%以上50%未満は小半損、床上浸水等のみは一部損に区分されます。
    13_1.png./image-size:540×190
  4. 適切。地震等を原因とする地盤液状化による損害の認定基準は、建物の区分と、地盤液状化による建物の「傾斜」または「最大沈下量」によって決まります。木造建物(在来軸組工法)の場合、最大沈下量が30㎝を超えるもしくは傾斜が100分の1.7(約1度)を超えるとき、全損と認定されます。
    13_2.png./image-size:479×172
    地震を原因とする地盤液状化により、地震保険の対象である木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度または沈下の深さにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。2023.9-14-4
    地震を原因とする地盤液状化により、木造建物が傾斜した場合、傾斜の角度の大きさにより一定の損害が認定されれば、保険金が支払われる。2021.9-14-3
したがって不適切な記述は[2]です。