FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問35

問35

不動産の売買取引における手付金に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 宅地建物取引業者が自ら売主となる不動産の売買契約において、買主が宅地建物取引業者でない法人の場合、売主の宅地建物取引業者は、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することができる。
  2. 不動産の売買契約において買主が売主に手付金を交付した場合、買主が契約の履行に着手する前であれば、売主はその倍額を買主に対して現実に提供することで、契約を解除することができる。
  3. いわゆるローン特約(融資特約)が付された不動産売買契約において、買主が同特約によって契約を解除する場合、通常、売主に交付した手付金は放棄しなければならず、手付金の返還を受けることはできない。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢157.3%
肢234.7%
肢34.0%
肢44.0%

解説

  1. 不適切。宅地建物取引業者が自ら売主となるときの規制は、素人である買主をプロである宅建業者との取引から保護する目的があるため、買主が宅地建物取引業者でなければ個人であっても法人であっても適用されます。よって、売主の宅地建物取引業者は売買代金の2割を超える手付を受領することはできません。
    宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面を交付しなければならない。2024.5-34-3
    宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、手付金を受領した場合、その手付がいかなる性質のものであっても、宅地建物取引業者が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付金を放棄して契約の解除をすることができる。2023.5-35-4
    宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約において、買主が宅地建物取引業者である場合、当該売買契約が成立するまでの間に、重要事項説明書を交付すれば、宅地建物取引士にその内容を説明させる必要はない。2023.1-36-3
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、買主の承諾を得られれば、宅地建物取引業者は、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することができる。2021.1-35-1
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、「宅地または建物の引渡しがあるまでは、いつでも、買主は手付金を放棄して、売主は手付金を返還して契約を解除することができる」旨の特約は有効である。2021.1-35-2
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して解約手付金を受領したときは、買主が契約の履行に着手するまでは、宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して契約を解除することができる。2021.1-35-4
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、宅地建物取引業者は、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することはできない。2019.9-36-3
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して手付金を受領したときは、その手付金がいかなる性質のものであっても、買主が契約の履行に着手するまでは、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。2019.1-35-3
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約を締結した場合、あらかじめ買主の承諾を得ていても、売買代金の額や支払方法などの契約内容について、書面の交付に代えて、電子メールなどの電磁的方法による交付は認められていない。2019.1-35-4
    宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約において、買主が宅地建物取引業者である場合であっても、当該売買契約が成立するまでの間に、重要事項説明書を交付し、宅地建物取引士にその内容を説明させなければならない。2017.9-35-3
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、宅地建物取引業者は、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することはできない。2016.1-35-1
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、「宅地または建物の引渡しがあるまでは、いつでも、買主は手付金を放棄して、売主は手付金を返還して契約を解除することができる」旨の特約は有効である。2016.1-35-4
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、宅地建物取引業者は、売買代金の額の1割を超える手付金を受領することはできない。2015.9-35-2
  2. 適切。買主から交付された手付は解約手付であると推定されます。解約手付が交付された場合、相手方が契約の履行に着手する前であれば、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供することで契約を解除することができます。本肢は、①買主が契約の履行に着手する前、②手付の倍額を現実に提供するという要件を満たすので、売主は契約を解除することができます。
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、買主が売主に対して解約手付金を交付した後、当該売買契約の履行に着手したとしても、売主が当該売買契約の履行に着手していなければ、買主は手付金を放棄することにより契約を解除することができる。2016.1-35-2
    民法では、買主から売主に対して解約手付が交付された場合、内金を支払った後では、売主が当該売買契約の履行に着手していないときであっても、買主は、手付金を放棄することにより契約を解除することができない。2014.1-37-b
  3. 不適切。ローン特約(融資特約)は、金融機関から融資を受けて代金を支払うことになっている不動産売買契約において、買主が金融機関から融資を受けられなかったときに無条件で契約を解除できる旨を定めた特約です。契約が解除された場合、契約の効力は当初からなかったことになり、各当事者は契約前の状態に戻す義務(原状回復義務)を負いますから、売主は受領した手付や前金等を買主に返還しなければなりません。
したがって適切なものは「1つ」です。