FP1級過去問題 2023年5月学科試験 問39(改題)

問39

固定資産税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 固定資産税の納税義務者は、賦課期日(1月1日)に固定資産課税台帳に所有者として登録されている者であるが、年の途中で土地および建物の売買があった場合、当該土地および建物に課される固定資産税は、その所有日数に応じて日割りされ、売主が納付した固定資産税のうち、未経過分は還付される。
  2. 「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地に適用することができるものであり、賃貸アパート等の敷地である宅地には適用することはできない。
  3. 2023年6月に購入した土地上に同年12月に住宅を新築し、同月中に入居した場合であっても、2024年1月1日現在において当該住宅の所有権の保存登記が未了であるときは、2024年度分の固定資産税において、当該土地は「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」を適用することはできない。
  4. 2014年4月1日以前に建築され、2026年3月31日までの間に特定居住用部分に熱損失防止改修工事等をした一定の住宅に係る固定資産税は、所定の申告書を提出した場合、改修工事が完了した翌年度分に限り、原則として、住宅1戸当たり床面積120㎡までの部分に対する税額の3分の1相当額が減額される。

正解 4

問題難易度
肢15.5%
肢212.2%
肢321.3%
肢461.0%

解説

  1. 不適切。固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日(賦課期日)において登記簿または固定資産課税台帳に所有者として登記・登録されている者です。固定資産税は年税なので、1月2日以降に所有権の移転があっても未経過分の固定資産税が還付されることはありません。ただし実務では、年の途中で売買があった場合、売買契約の締結時に売主と買主の間でその年度分の固定資産税額を日割り計算してそれぞれが負担する額を取り決め、買主から売主に差額を交付する等の精算方法がとられています。
  2. 不適切。「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、専ら人の居住用の家屋の敷地であれば適用を受けることができます。したがって、自己の居住用住宅の敷地のほか、アパートやマンション等の他人が居住する住宅の敷地にも適用されます。
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住の用に供する家屋の敷地である宅地に適用することができるものであり、賃貸アパートや賃貸マンションの敷地である宅地には適用することができない。2024.9-39-2
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けている土地上にある自己の居住の用に供している家屋を、2024年12月から賃貸して第三者が居住した場合、その土地は2025年度分から当該特例の対象外となる。2023.1-39-1
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地に適用されるため、賃貸マンション等の自己の居住用住宅以外の住宅の敷地である宅地については適用されない。2022.1-39-2
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地にのみ適用されるため、賃貸アパート等の敷地である宅地については適用されない。2014.9-39-2
  3. 不適切。住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例における「敷地の用に供されている土地」は、1月1日(賦課期日)において家屋が存在するものなので、登記の有無にかかわらず適用を受けることができます。実際の手続きとしては、市町村長に対して変更があった年の翌年1月31日までに固定資産税の住宅用地等申告書を提出することが義務付けられていて、それにより適用を受けることが可能です。
  4. [適切]。2014年4月1日以前に建築された家屋の居住用部分に熱損失防止改修工事等の省エネ改修工事等を行った場合、工事完了の翌年度分のその住宅に係る固定資産税額が、住宅1戸当たり床面積120㎡までの部分について3分の1相当額が減額されます。この減額措置の適用を受けるためには、工事完了日から3か月以内に当該家屋が所在する市区町村に提出する必要があります。
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したがって適切な記述は[4]です。