FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問47
問47
相続税額の2割加算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、いずれも相続税の納付税額が発生するものとする。- 被相続人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする生命保険の死亡保険金を受け取った被相続人の子が相続の放棄をした場合、子は相続税額の2割加算の対象となる。
- 相続において被相続人の子とその子(被相続人の孫)が財産を取得し、その孫が被相続人の養子となっている場合、その孫は相続税額の2割加算の対象とならない。
- 相続において被相続人の弟の子(被相続人の甥)が財産を取得し、その甥が被相続人の弟の代襲相続人である場合、その甥は相続税額の2割加算の対象となる。
- 相続税額の2割加算の対象となる者が未成年者控除の適用を受ける場合、相続税額の計算上、未成年者控除額を控除した後の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算する。
広告
正解 3
問題難易度
肢17.7%
肢219.6%
肢355.8%
肢416.9%
肢219.6%
肢355.8%
肢416.9%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の1親等の血族および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額に2割に相当する額が加算されます。これを「相続税額の2割加算」といいます。
具体的には、下図のように被相続人の配偶者、父母、子ではなく、それらの代襲相続人でもない人がその対象になります。
具体的には、下図のように被相続人の配偶者、父母、子ではなく、それらの代襲相続人でもない人がその対象になります。
- 不適切。相続税の2割加算の対象となるのは、被相続人の父母・子・配偶者以外の人です。相続人であるかどうかは無関係なので、子は相続放棄をしたとしても2割加算の対象になりません。被相続人が契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険において、死亡保険金の額から契約者貸付金の額が控除された保険金を相続人が受け取った場合、控除された契約者貸付金の額を当該保険金に加算した金額に相当する保険金を相続または遺贈により取得したものとみなされる。(2023.9-46-4)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険において、子が相続の放棄をした場合、当該死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。(2022.5-46-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険において、死亡保険金とともに支払われる積立配当金は、相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。(2022.5-46-2)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険契約において、子が相続の放棄をした場合であっても、当該死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。(2021.9-48-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険契約において、子が死亡保険金のほかに、払戻しによる前納保険料を受け取った場合、当該前納保険料は相続税の課税対象となる。(2021.9-48-2)相続において被相続人の弟の子(被相続人の甥)が財産を取得し、その甥が被相続人の弟の代襲相続人である場合、甥は相続税額の2割加算の対象とならない。(2020.1-46-2)相続の放棄をした被相続人の配偶者が、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金を受け取るなど、遺贈により取得した財産があるときは、本制度の適用を受けることができる。(2017.9-47-3)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人となっている相続人に対し、死亡保険金とともに支払われる積立配当金の額は、相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。(2016.9-46-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人となっている相続人が相続の放棄をした場合、その者が受け取る死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。(2016.9-46-3)契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となる。(2015.10-46-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、相続人が死亡保険金のほかに払戻しによる前納保険料を受け取った場合、当該前納保険料は相続税の課税対象となる。(2015.10-46-2)契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、被相続人の子で相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金は、保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。(2014.1-47-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、被相続人の子が死亡保険金のほかに、払戻しによる前納保険料を受け取った場合、当該前納保険料は相続税の課税対象となる。(2014.1-47-2)
- 不適切。孫養子は、代襲相続人であるときを除き2割加算の対象です。本肢では被相続人の子が財産を取得している、つまり生存しているので、孫は代襲相続人ではありません。よって、2割加算の対象になります。相続において被相続人の子とその子(被相続人の孫)が財産を取得し、その孫が被相続人の養子となっている場合、孫は相続税額の2割加算の対象とならない。(2020.1-46-1)
- [適切]。兄弟姉妹は被相続人からみて2親等の親族なので、2割加算の対象です。このため、被相続人の弟を代襲相続した甥も同様に2割加算の対象になります。
- 不適切。相続税額の2割加算は、各人の相続税額(税額控除前)に加算されます。未成年者控除額の控除するのは2割加算をした後です。相続税額の2割加算の対象となる者が未成年者控除の適用を受ける場合、相続税額の計算上、未成年者控除額を控除した後の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算する。(2020.1-46-4)相続税額の計算上、未成年者控除の適用を受ける未成年者が相続税額の2割加算の対象となる場合、未成年者控除額は、その者の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算した後の金額から控除する。(2019.1-46-2)
広告