FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問6

問6

中小企業退職金共済制度(以下、「中退共」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 中退共の掛金月額は、事業主が被共済者(従業員)ごとに選択することができ、その上限額は被共済者(従業員)1人につき7万円とされている。
  2. 事業主が中退共への新規加入の申込みに際して、被共済者となるべき従業員の過去勤務期間の月数を掛金納付月数に通算することを希望する旨の申出をする場合、通算することができる過去勤務期間の月数は120月が限度となる。
  3. 中退共に新規で加入する事業主は、加入月から1年間、掛金月額の2分の1相当額について国の助成を受けることができる。
  4. 被共済者(従業員)が加入後1年未満で退職し、掛金納付月数が12月に満たない場合、当該被共済者(従業員)に退職金は支給されず、掛金の全額が事業主に返還される。

正解 2

問題難易度
肢119.0%
肢241.4%
肢324.9%
肢414.7%

解説

  1. 不適切。7万円ではありません。中退共の掛金月額は被共済者ごとに5,000円(短時間労働者は2,000円)から3万円です。掛金は、月額1万円までは1,000円刻み、1万円超は2,000円刻みで設定されています(中退共法4条)。
  2. [適切]。中退共では、新規加入時に申請することにより、10年=120月を限度として制度加入前の期間を退職金額の計算基礎に含めることができます。この場合、事業主は過去勤務期間に係る掛金月額を定め、基本掛金額に加え、過去勤務期間と同じ年数(最大5年)をかけて過去勤務掛金額を納付していきます(中退共27条)。
  3. 不適切。加入月からではありません。中退共に新規加入した場合には、4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(上限5,000円)が国から助成されます(中退共法規則45条)。
    事業主が新たに中退共に加入する場合、加入月から1年間、掛金月額の2分の1相当額(従業員ごとに5,000円が上限)について国の助成が受けられる。2019.5-7-1
  4. 不適切。中退共では、掛金納付月数1年未満で退職した従業員には、退職金は支給されず、掛金も事業主に返還されません。また、1年以上2年未満の場合は掛金納付総額を下回る額になります(中退共法10条)。
    被共済者(従業員)が、加入後1年未満で退職し、掛金納付月数が12月に満たない場合、当該従業員に退職金は支給されず、掛金の全額が事業主に返還される。2021.9-6-2
したがって適切な記述は[2]です。