FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問17

問17

ETF(上場投資信託)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. インバース型ETFは、原指標の日々の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動した運用成果を目指して運用される。
  2. エンハンスト型ETFは、カバードコール指標やマーケットニュートラル指標など、一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指標に連動した運用成果を目指して運用される。
  3. 東京証券取引所には、株価指数などの特定の指標に連動した運用成果を目指す指標連動型ETFのほか、アクティブ運用型ETFも上場している。
  4. 東京証券取引所に上場しているETFの売買単位は、内国ETFでは10口単位に統一されているが、外国ETFでは銘柄ごとに異なる。

正解 4

問題難易度
肢111.9%
肢217.2%
肢37.8%
肢463.1%

解説

  1. 適切。インバース型ETFは、対象とする指標の日々の変動率に一定の「負の倍数」を乗じて算出される指数に連動することを目指して運用されます。簡単に言うと、対象となる指数と逆の値動きをするということです。
    ブル型の投資信託は、原指標の変動率に一定の正の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指すものであり、市場の上昇局面ではより高い収益率を期待することができる。2025.1-17-3
    ベア型ファンドは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される投資信託である。2022.5-18-4
    インバース型ETFは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される。2022.1-18-2
    ダブルインバース型ETFは、変動率が原指標の変動率の2倍となるように設定された指標に連動する運用成果を目指して運用され、その変動率は原指標の変動率よりも大きくなる。2019.9-17-2
  2. 適切。エンハンスト型ETFは、原指標に連動することを基本としながら、運用手法の工夫により、原指標を少しだけ上回る収益の獲得を目指すETFです。カバードコール指標、リスクコントロール指標やマーケットニュートラル指標など、一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指標に連動するように運用されます。
    カバードコール指標
    原資産を保有するとともにコール・オプションの売りを組み合わせる戦略の収益をモデル化したもの
    リスクコントロール指標
    現金の保有比率を適宜調節することで、収益のブレを低く抑える戦略の収益をモデル化したもの
    マーケットニュートラル指標
    市場リスクをヘッジするショートポジションを組み合わせる戦略の収益をモデル化したもの
    エンハンスト型ETFは、リスクコントロール指標やマーケットニュートラル指標など、一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指標に連動する運用成果を目指して運用される。2019.9-17-3
  3. 適切。東京証券取引所のETFには、指標連動型ETFだけではなく、アクティブ運用型ETFもあります。
    指標(インデックス)連動型ETF
    特定の指標に連動した投資成果を目指すETF。インデックス型、レバレッジ型ETF/インバース型ETF、エンハンスト型ETF、リンク債型ETFなど
    アクティブ運用型ETF
    連動対象となる指標が存在しないETF。ファンドマネージャーが、あらかじめ定められた運用方針に従って組入銘柄や資産配分を選択することで、ベンチマークを上回る投資成果を得る可能性を提供する
  4. [不適切]。東京証券取引所に上場しているETFの売買単位は、内国ETF・外国ETFを問わず、1口・10口・100口・1,000口の4種類があり、銘柄により異なる売買単位が設定されています。
したがって不適切な記述は[4]です。