FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問18

問18

わが国の国債に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 個人向け国債は、最低1万円から1万円単位で購入することができ、購入金額に上限は設けられていない。
  2. 個人向け国債は、原則として、発行から1年が経過した後、中途換金することができ、換金金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から中途換金調整額を差し引いた金額となる。
  3. 新窓販国債は、発行日から初回の利払日までの期間が6カ月に満たないため、初回の利払時のみ、発行日から初回の利払日までの日数に応じて日割り計算された利子が支払われる。
  4. 新窓販国債には、10年固定利付国債、5年固定利付国債および2年固定利付国債があり、販売価格はそれぞれの発行ごとに決定される。

正解 3

問題難易度
肢113.9%
肢224.4%
肢331.2%
肢430.5%

解説

  1. 適切。個人向け国債は、購入の対象者を個人のみに限定し購入単位を低く設定している国債で、毎月募集を行い、1万円から1万円単位で購入することができます。取扱機関によって発行条件や中途換金の換金金額が異なることはなく、購入金額の上限はありません。
    個人向け国債は、毎月募集され、最低1万円から1万円単位で購入することができる。2024.9-19-2
  2. 適切。個人向け国債は発行から1年経過すればいつでも中途換金できます。中途換金するときの換金金額は、「額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額」で計算されます。
    個人向け国債を中途換金する場合、その換金金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から換金手数料および中途換金調整額を差し引いた金額となる。2024.9-19-3
    個人向け国債は、原則として発行から1年経過後、1万円単位で中途換金することができ、その換金金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から換金手数料および中途換金調整額を差し引いた金額となる。2021.1-18-4
  3. [不適切]。利払日には、一律に利子の満額が支払われます。
    新窓販国債の利子は年2回、半年ごとに支払われます。利払日は銘柄や発行月ごとに3カ月単位(例:1月~3月債は6月と12月)で決まっているため、発行日から最初の利払日までが、必ずしも半年になるとは限りません。そこで、半年に満たない場合には、購入時に利子調整額(経過利子相当額)を国債販売会社へ支払う仕組みとなっています。利払日には半年分の利子が満額で支払われるため、結果的に保有期間に応じた利子を受け取ることになります。
  4. 適切。新窓販国債には固定10年、固定5年、固定2年の3種類があります。すべて固定金利です。発行価格は発行ごとに財務省が決定します。
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したがって不適切な記述は[3]です。