FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問29

問29

法人税の各種届等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 内国法人である普通法人は、事業年度が6カ月を超える場合、原則として、納税地の所轄税務署長に対し、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に法人税の中間申告書を提出することとされている。
  2. 事業年度開始の時における資本金の額または出資金の額が1,000万円を超える法人は、法人税の申告を、電気通信回線の故障、災害その他の理由により困難であると認められる場合を除き、e-Tax(国税電子申告・納税システム)により行うこととされている。
  3. 新たに設立された法人は、原則として、その設立の日以後3カ月以内に、減価償却資産の償却方法の届出書を納税地の所轄税務署長に提出することとされている。
  4. 新たに設立された法人が設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、原則として、その設立の日以後2カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、青色申告の承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出することとされている。

正解 1

解説

  1. [適切]。法人は、前事業年度の法人税額が20万円以下などの場合を除き、事業年度開始後6カ月経過日から2カ月以内に、中間申告書を提出する義務があります(法人税法71条)。ただし、中間申告がなくても前期の実績による中間申告書を提出したとみなされるので、実際の手続きとして中間申告書を作成・提出することは多くありません(法人税法73条)。
    内国法人である普通法人は、事業年度が6カ月を超える場合、原則として、納税地の所轄税務署長に対し、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に法人税の中間申告書を提出し、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に法人税の確定申告書を提出することとされている。2021.9-30-3
    内国法人である普通法人は、事業年度が6カ月を超える場合、原則として、納税地の所轄税務署長に対し、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に法人税の中間申告書を提出し、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に法人税の確定申告書を提出することとされている。2018.9-30-3
    事業年度が6カ月を超える普通法人は、原則として、当該事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に中間申告書を提出しなければならない。2015.1-30-2
  2. 不適切。1,000万円ではありません。e-Taxによる申告が義務付けられているのは、事業年度開始時における資本金等の額が1億円を超える法人です。ただし、通算法人は1億円以下でも電子申告の義務化の対象です(法人税法75条の4)。
  3. 不適切。法人を設立した年に「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する場合は、第1期分の確定申告書の提出期限までに提出しなければなりません。一般的には、第1期の事業年度が終わった日から2か月以内がその期限となります(法人税法令51条)。
    法人を設立した場合、法人の設立日から2カ月以内に、法人設立届出書に定款の写し等を添付して納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2023.9-30-1
    法人を設立した場合には、設立の日以後3カ月以内に、所定の書類を添付して、法人設立届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2021.9-30-1
    法人を設立した場合は、設立の日以後2カ月以内に、定款等の写し、設立時の貸借対照表、設立の登記の登記事項証明書、株主等の名簿の写し、設立趣意書等を添付した法人設立届出書を納税地の所轄税務署長に提出することとされている。2018.9-30-1
    設立の日以後2カ月以内に、定款等の写しを添付した「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2016.1-31-3
  4. 不適切。2カ月ではありません。普通法人が設立1期目から青色申告の適用を受けようとする場合、設立の日以後3カ月を経過した日と1期目の事業年度終了日のうちいずれか早い日の前日までに、青色申告承認申請書を納税地の税務署長に提出しなければなりません(法人税法122条2項1号)。
    法人が設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、原則として、設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2023.9-30-3
    内国法人である普通法人が設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、原則として、設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出することとされている。2021.9-30-2
    内国法人である普通法人が設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、原則として、設立の日以後2カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出することとされている。2018.9-30-4
    設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2016.1-31-4
したがって適切な記述は[1]です。