FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問40
問40
「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- Aさんが所有するX土地(時価1億円、地積500㎡、借地権割合60%)の所有権(底地)の一部と、X土地の借地権者であるBさんが有する借地権の一部を交換し、AさんがX土地の200㎡部分を、BさんがX土地の300㎡部分をそれぞれ単独所有とする場合、Aさんは本特例の適用を受けることができる。
- Aさんが所有するX土地(時価2,000万円)と、Bさんが所有するY土地(時価2,000万円)を交換する場合、Bさんが取得したX土地を直ちに売却して従前のY土地と同一の用途に供しなかったとしても、Aさんは本特例の適用を受けることができる。
- Aさんが所有するX土地(時価2,000万円)と、Bさんが所有する建物(時価500万円)およびその敷地であるY土地(時価1,500万円)を交換する場合、Aさんは本特例の適用を受けることができるが、交換差金等となる建物については、譲渡所得として所得税の課税対象となる。
- Aさんが所有するX土地(時価2,000万円)と、Bさんが所有するY土地(時価2,000万円)を交換する場合に、AさんのX土地の所有期間が1年以上であり、BさんのY土地の所有期間が1年未満であるときは、Aさんは本特例の適用を受けることができない。
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正解 3
問題難易度
肢120.0%
肢213.3%
肢343.4%
肢423.3%
肢213.3%
肢343.4%
肢423.3%
分野
科目:E.不動産細目:5.不動産の譲渡に係る税金
解説
固定資産の交換の譲渡所得の特例とは、個人が土地と土地、建物と建物などのように同じ種類の固定資産を交換したときに、その譲渡がなかったものとする特例です。本特例の適用を受けるためには下記6つの要件を満たす必要があります。
- 同じ種類の資産の交換であること(借地権は土地とみなす)
- 交換対象資産が販売のために所有している固定資産(棚卸資産)でないこと
- 譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること
- 取得する資産は、相手が1年以上所有していたものであり、交換のために取得したものでないこと
→取得資産を交換直後に譲渡するとNG - 取得する資産を交換前と同じ用途で使用すること
- 交換する資産同士の時価の差額が、高い方の価額の20%以内であること
- 適切。本特例は、交換する資産が同種であることを前提としています。借地権は土地と同種の資産として扱われるため、他の要件を満たしていれば、地主が所有する貸付中の土地(底地)と、その土地に設定されている借地権との交換にも本特例を使用することができます。
借地権割合60%なので、借地権全体の価額は6,000万円、Bさんが提供する200㎡部分の価額は「6,000万円×200㎡500㎡=2,400万円」です。また底地全体の価額は4,000万円、Aさんが提供する300㎡部分の価額は「4,000万円×300㎡500㎡=2,400万円」です。同額であるため、交換価額についても要件を満たしています。 - 適切。本特例では、交換により取得した資産を、交換をした年分の確定申告期限まで、交換前と同じ用途で使用することが要件の一つです。交換相手のBさんが取得した資産を直ちに売却したとしても、Aさんには影響はありません。Aさんは交換で取得した資産を同じ用途で使用していれば、本特例の適用を受けることができます。Aさん所有のX土地とBさん所有のY土地を交換した場合、Aさんが取得したY土地を取得後、従前のX土地と同一の用途に供することなく直ちに売却しても、Bさんは本特例の適用を受けることができる。(2024.5-39-4)Aさん所有の土地(時価2,000万円)とBさん所有の土地(時価2,000万円)を交換した場合において、Aさんが、交換により取得した土地を取得後、同一の用途に供することなく、直ちに売却したときは、AさんとBさんの双方が本特例の適用を受けることができなくなる。(2021.9-39-c)Aさんが、所有するX宅地(時価4,500万円)および建物(時価500万円)を、Bさん所有のY宅地(時価5,000万円)と交換した場合、Bさんが、交換により取得した建物を取り壊したとしても、AさんはX宅地の部分について本特例の適用が受けられ、建物の部分(時価500万円)については交換差金として課税対象となる。(2014.1-40-2)
- [不適切]。Aさんの土地2,000万円と、Bさんの土地1,500万円との差額は500万円であり、高い方の資産の20%(2,000万円×20%=400万円)を超えています。よって、本特例の適用を受けることができません。また、同じ種類の資産との交換ではない建物についても本特例の対象外であり、譲渡所得として課税対象となります。
- 適切。本特例では、譲渡する資産・取得する資産のそれぞれが1年以上所有されていたことが要件の一つです。本肢の場合、Bさんが交換に出した土地の所有期間が1年未満であり、Aさんからすると取得する資産が1年未満、Bさんからすると譲渡する資産が1年未満です。このため、両者ともに本特例の適用を受けることはできません。Aさん所有のX土地とBさん所有のY土地を交換した場合、BさんがY土地を所有していた期間が1年未満であったときは、AさんとBさんはいずれも本特例の適用を受けることはできない。(2024.5-39-2)
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