FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問42

問42

贈与税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 贈与税の申告書を提出すべき者が提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  2. 贈与税の申告書の提出後、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。
  3. 贈与税の延納申請が却下された場合、納付すべき贈与税には、原則として、法定納期限の翌日から贈与税の完納の日までの期間に応じた延滞税が課される。
  4. 受贈者が贈与税を納付していない場合、贈与者は、贈与した財産の価額に対応する贈与税部分について、当該贈与財産の価額に相当する金額を限度として連帯して納付しなければならない。

正解 4

問題難易度
肢114.2%
肢27.5%
肢315.7%
肢462.6%

解説

  1. 不適切。贈与税の申告と納税は、原則として贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までにすることになっていますが、贈与税の申告書を提出すべき者が提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に提出しなければなりません。
    贈与税の申告書を提出すべき者が、提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2022.9-43-2
    贈与税の申告書を提出すべき者が、提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2022.1-44-2
    直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与税の申告書を提出する前に死亡した場合、その受贈者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に贈与税の申告書を提出することにより、本特例の適用を受けることができる。2019.1-43-4
    贈与税の申告書を提出すべき者が提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、原則として、その者の相続人は、その相続開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2014.9-42-2
  2. 不適切。贈与税の申告書を提出した後に申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から6年以内であれば、更正の請求をすることができます。所得税、法人税及び相続税は5年ですが、贈与税だけは6年ですので注意しましょう。
    贈与税の申告書の提出後、課税価格や税額の計算に誤りがあり、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。2022.9-43-4
    贈与税の申告書の提出後、課税価格や税額の計算に誤りがあり、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から6年以内に限り、更正の請求をすることができる。2022.1-44-3
    贈与税の申告書の提出後、課税価格や税額の計算に誤りがあり、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。2019.5-44-2
    2023年分の贈与税の申告書の提出後、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として法定申告期限から6年以内に限り、更正の請求をすることができる。2014.9-42-4
  3. 不適切。延納申請が行われた場合には、延納申請書の提出期限の翌日から起算して3か月以内に許可又は却下が行われます。却下された場合には、法定納期限の翌日から却下の日までの期間についての利子税が、却下の日の翌日から本税の完納の日までの期間について延滞税がかかります。
  4. [適切]。贈与税は受贈者に納付義務がありますが、贈与者にも贈与した財産の価額に相当する金額を限度として「連帯納付義務」があります。このため、受贈者が贈与税を納付しなかったときは、贈与者がその贈与税を納付しなければなりません。なお、相続税における共同相続人の間にも連帯納付義務があります。
    財産を贈与した者は、当該贈与により財産を取得した者のその年分の贈与税額のうち、贈与した財産の価額に対応する部分の金額について、当該財産の価額に相当する金額を限度として、連帯納付義務がある。2019.5-44-3
したがって適切な記述は[4]です。