FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問2
問2
労働者災害補償保険の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 業務災害によって負傷した労働者が、やむを得ず労災指定病院以外の病院等で受診し、その療養にかかった費用を支払った場合、当該労働者は、療養の費用の請求により、支払った療養費の全額を受け取ることができる。
- 労働者が通勤災害による負傷の療養のために欠勤し、賃金を受けられない場合は、休業4日目から休業給付が支給されるが、休業の初日から3日目までの期間については、事業主が労働基準法に基づく休業補償を行わなければならない。
- 休業補償給付の支給を受けている労働者が、療養開始後1年6カ月を経過した日において傷病が治っておらず、当該傷病による障害の程度が一定の傷病等級に該当して傷病補償年金が支給される場合は、休業補償給付の支給が打ち切られる。
- 遺族補償年金は、受給権者が失権した場合に次順位者が遺族補償年金の受給権者となることができる転給制度により、すべての受給資格者が資格を喪失するまで支給される。
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正解 2
問題難易度
肢17.6%
肢264.9%
肢317.4%
肢410.1%
肢264.9%
肢317.4%
肢410.1%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:4.社会保険
解説
- 適切。療養(補償)給付は無料で治療や薬剤の支給を受けられる現物給付が原則ですが、業務災害によって負傷し、近くに指定医療機関等がないなどのやむを得ない事情で労災指定病院以外の病院等で受診し費用を支払った場合、療養の費用の請求によって支払った療養費の全額を受け取ることができます(労災保険法13条3項)。
- [不適切]。労働者が労災の療養のために欠勤し賃金を受けられない場合、休業4日目から休業補償給付を受けることができます(労災保険法14条)。休業の初日から3日目までは、業務災害の場合、事業主が労働基準法に基づき療養中平均賃金の6割相当額の休業補償を行わなければなりませんが、通勤災害の場合は事業主は休業に対する補償をする必要はありません(労働基準法76条)。
- 適切。傷病補償年金は、業務上の負傷や疾病によって療養している労働者が療養の開始後1年6カ月を経過しても治らない場合で、傷病等級第1級から第3級に該当するときに支給されます(労災保険法12条3項)。このときまで支給されていた休業補償給付はその後支給されません(労災保険法18条2項)。
- 適切。遺族補償年金の受給資格者は、被災労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた所定の要件を満たす「配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹」で、最先順位の者に支給されます(労災保険法16条の2)。最先順位の受給権者が死亡するなどで受給資格を喪失した場合、遺族補償年金は次の順位の受給権者に転給されます(労災保険法16条の3)。
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