FP1級過去問題 2021年1月学科試験 問23(改題)

問23

2024年以降の特定非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、特定非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「NISA」といい、当該契約に基づき設定される特定累積投資勘定を「つみたて投資枠」という。
  1. つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、所定の要件を満たす公募株式投資信託およびETF(上場投資信託)に限られ、上場株式やJ-REIT(上場不動産投資信託)、国債、社債などは対象とならない。
  2. つみたて投資枠を通じて購入することができる公募株式投資信託等の限度額(非課税枠)は年間120万円であり、その分配金や譲渡益等の非課税期間は無期限である。
  3. つみたて投資枠を通じた公募株式投資信託等の購入は、累積投資契約に基づき、あらかじめ購入する銘柄を指定したうえで、定期的に継続して一定数量の購入を行う方法に限定されている。
  4. 特定口座を開設している金融機関においてつみたて投資枠を設定した場合であっても、特定口座に受け入れている公募株式投資信託等をつみたてNISA勘定に移管することはできない。

正解 3

問題難易度
肢127.7%
肢28.7%
肢351.8%
肢411.8%

解説

  1. 適切。つみたて投資枠の対象商品は、手数料が安い・分配金の支払いが頻繁ではない などの一定の水準を満たす、長期積立投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。債券およびREITは、指定の指数に連動する商品のみがバランス型の組成のみに認められているだけで、単体の商品を投資対象とすることはできません。
    つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、一定の要件を満たすインデックス型の公募株式投資信託およびETF(上場投資信託)に限られ、上場株式、国債、社債などをつみたてNISA勘定に受け入れることはできない。2021.9-23-1
    つみたて投資枠を通じて購入することができる金融商品は、所定の要件を満たす公募株式投資信託、ETF(上場投資信託)およびJ-REIT(不動産投資信託)であり、上場株式や国債などは対象とならない。2018.1-22-1
    つみたて投資枠の受入れ対象となる金融商品には、国内外の公募株式投資信託および上場株式投資信託(ETF)があるが、国債や公社債投資信託は対象ではない。2014.1-21-2
  2. 適切。つみたて投資枠の非課税限度枠は、年間120万円、かつ生涯を通じて投資できる枠は1,800万円となっています。2024年以降のNISA制度では非課税期間が無期限となっています。
    ジュニアNISA口座に受け入れることができる上場株式等の限度額(非課税枠)は年間120万円であり、その配当金等や譲渡益等の非課税期間は、当該非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長5年間である。2019.5-23-2
    NISA口座の成長投資枠に受け入れることができる上場株式等の限度額(非課税枠)は年間240万円であり、その配当金や譲渡益等が非課税となる期間は無期限とされている。2018.9-23-1
    つみたて投資枠の非課税投資額の上限(非課税枠)は年間120万円であるが、使用されなかった非課税枠がある場合は翌年に繰り越すことができる。2014.1-21-3
  3. [不適切]。一定数量ではありません。つみたてNISAの購入方法は、累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限られます。"累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付け"とは、対象銘柄を指定した上で、「1か月に1回」など定期的に一定金額の買付けを続けることです。一定金額で買い付けると、必然的に値段が高いときには少なく買い、値段が安いときには多く買うことになるのでリスクの低減につながります。
  4. 適切。同一金融機関内であっても、課税口座(特定口座や一般口座)で保有している金融商品をNISA口座に移すことはできません。逆にNISA口座内の上場株式や投資信託は、特定口座や一般口座に移管することができます。これは成長投資枠でも同じです。
    特定口座を開設している金融機関においてつみたて投資枠を設定した場合、特定口座に受け入れているインデックス型の公募株式投資信託をつみたて投資枠に移管することができる。2021.9-23-4
したがって不適切な記述は[3]です。