FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問28

問28

居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 合計所得金額が1,000万円を超える納税者は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれの適用も受けることができない。
  2. 青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払を受ける者、または白色申告者の配偶者で事業専従者に該当する者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。
  3. 納税者本人が特別障害者に該当する場合、その者に係る障害者控除の額は40万円である。
  4. ひとり親控除の適用を受けるためには、生計を一にする子を有することが要件となり、その子の総所得金額等が48万円を超えると、当該控除額は段階的に減少する。

正解 4

問題難易度
肢16.9%
肢211.5%
肢331.3%
肢450.3%

解説

  1. 適切。配偶者控除および配偶者特別控除は、納税者の合計所得金額が1,000万円以下であることが要件となっています。よって、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合は、いずれの適用も受けることはできません。
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除は適用されない。2024.1-28-1
    Aさん(納税者)の合計所得金額が700万円で、控除対象配偶者である妻Bさん(71歳)がいる場合、配偶者控除の額は48万円である。2022.9-29-a
    合計所得金額が1,000万円を超える納税者は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれの適用も受けることができない。2021.5-28-a
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれの適用も受けることはできない。2019.1-28-2
    配偶者特別控除の控除額は、納税者の合計所得金額、配偶者の合計所得金額、配偶者の年齢に応じて異なる。2018.9-27-3
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれの適用も受けることはできない。2018.9-27-4
    年齢が45歳の配偶者で、その者の合計所得金額が48万円以下の者は、控除対象配偶者に該当し、納税者本人の合計所得金額900万円以下の場合は、配偶者控除の額は38万円である。2015.1-29-1
    納税者本人の合計所得金額が900万円を超える場合は、生計を一にする配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることができない。2015.1-29-4
  2. 適切。控除対象配偶者となるには、青色事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、白色申告者の事業専従者でないことが要件の一つです。そのため、この要件を満たしていない場合は、合計所得金額の多寡にかかわらず控除対象配偶者には該当しません。
    配偶者が青色事業専従者として給与の支払を受けている場合、納税者および配偶者のそれぞれの合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除は適用されない。2024.1-28-4
    青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払を受ける者、または白色申告者の配偶者で事業専従者に該当する者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者または老人控除対象配偶者には該当しない。2022.1-28-2
    青色申告者の配偶者で、青色事業専従者として給与の支払を受ける者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。2015.1-29-3
  3. 適切。納税者本人が障害者に当てはまる場合、障害者控除の額は27万円ですが、特別障害者に該当する場合は、障害者控除の額は40万円になります。
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    居住者と生計を一にする扶養親族が特別障害者で、居住者との同居を常況としている者である場合、その者に係る障害者控除の額は75万円である。2022.1-28-1
  4. [不適切]。ひとり親控除の適用を受けるためには、①生計を一にする子がいること、②その年分の子の総所得金額等が48万円以下であること、③納税者の合計所得金額が500万円以下であることなどが要件となっています。よって、その子の総所得金額等が48万円を超える場合、ひとり親控除の適用を受けることはできません。
    ひとり親控除は、現に婚姻をしていない納税者で、生計を一にする子を有し、合計所得金額が500万円以下である者が適用を受けることができ、その控除額は38万円である。2021.5-28-c
したがって不適切な記述は[4]です。