FP1級過去問題 2024年1月学科試験 問13

問13

所得税の地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 自己の居住用家屋を対象として少額短期保険業者と締結した地震補償保険の保険料は、地震保険料控除の対象となる。
  2. 第三者に賃貸している居住用家屋を対象とする地震保険について、居住用家屋の所有者が支払った保険料は、地震保険料控除の対象とならない。
  3. 保険期間が2025年1月1日から2年間である地震保険の保険料を一括で支払った場合、支払った保険料の全額を2025年分の地震保険料控除の対象とすることはできない。
  4. 地震保険の対象である自己の居住用家屋が地震によって全損し、保険金が支払われて当該地震保険契約が終了した場合であっても、その年に支払った保険料は地震保険料控除の対象となる。

正解 1

問題難易度
肢158.1%
肢218.3%
肢318.6%
肢45.0%

解説

  1. [不適切]。少額短期保険業者の支払った保険料は、地震保険料控除の対象となりません。これは生命保険料控除でも同じ取扱いです。この2つの控除が対象とする保険契約は、保険業法上の(外国)生命保険会社・(外国)損害保険会社と締結したものとされているところ、少額短期保険業者はそれらに該当しないためです。
  2. 適切。地震保険料控除の対象となるのは、控除を受ける本人または同一生計の配偶者・親族が所有している、①常時その居住に供されている家屋と②生活用動産を保険の目的とする地震保険契約です。他人への貸与部分や共用部分、別荘、店舗部分等を目的とするものについては控除の対象となりません。
  3. 適切。複数年分の地震保険料を一括で支払った場合は、「一括払保険料÷保険期間(年)」の算式で1年分に換算した額が各年の地震保険料控除の対象となります。本肢では保険期間2年ですから、支払った地震保険料の2分の1が2025年分の地震保険料控除の対象となります。なお、年の途中で一括保険料を支払った場合でも月数での按分計算は不要です。
  4. 適切。地震での「全損」扱いなどにより、支払われた保険金があらかじめ定められた保険金額(保険金額の80%など)に達すると地震保険契約は終了しますが、その終了年に支払った保険料も地震保険料控除の対象になります。
したがって不適切な記述は[1]です。