FP1級過去問題 2024年5月学科試験 問11

問11

個人年金保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 定額個人年金保険(10年保証期間付終身年金)の保険料は、被保険者の性別以外の契約内容が同一である場合、被保険者が女性であるよりも被保険者が男性であるほうが高くなる。
  2. 一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の保険料は、払い込んだ年の個人年金保険料控除の対象となる。
  3. 外貨建個人年金保険の円換算支払特約とは、年金や解約返戻金等を保険会社所定の為替レートに基づいて換算された円貨で受け取ることができる特約である。
  4. 個人年金保険(10年確定年金)の年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、死亡給付金受取人に対し、既払込保険料総額から既払年金合計額を差し引いた額が一括して支払われる。

正解 3

問題難易度
肢15.4%
肢215.4%
肢370.5%
肢48.7%

解説

  1. 不適切。終身年金は、被保険者が生存する限り年金が支払われるため、被保険者の年齢や基本年金額等の他の契約内容が同一である場合、男性よりも平均余命の長い(予定死亡率が低い)女性のほうが保険料は高くなります。
    個人年金保険(終身年金)の保険料を被保険者の性別で比較した場合、被保険者の年齢や基本年金額等の他の契約内容が同一であるとすると、被保険者が男性よりも女性のほうが保険料は高くなる。2020.9-10-1
  2. 不適切。個人年金保険料控除の適用を受けるには、個人年金保険料税制適格特約(以下、税制適格特約という)が付加された保険契約である必要があります。税制適格特約は「保険料の払込期間が10年以上であること」を要件としているので、一時払個人年金保険に税制適格特約を付加することはできません。また、変額個人年金保険は「死亡保険金が逓増していく」という要件を満たさないため、この点でも税制適格特約の対象外です。したがって個人年金保険料控除の対象とはならず、一般の生命保険料控除の対象となります。
    個人年金保険料税制適格特約が付加された定額個人年金保険において、自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、個人年金保険料控除の対象とならない。2023.1-11-3
    一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を契約から4年後に解約し、解約差益が生じた場合、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。2022.1-11-3
    一時払変額個人年金保険(終身年金)を保険期間の初日から5年以内に解約し、解約差益が生じた場合、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。2018.9-11-1
    一時払変額個人年金保険(終身年金)を保険期間の初日から5年以内に解約し、解約差益が生じた場合、いわゆる金融類似商品として、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。2017.1-12-1
    一時払変額個人年金保険(終身年金)を保険期間の初日から5年以内に解約した場合、いわゆる金融類似商品として、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。2016.1-11-1
    定額個人年金保険(10年確定年金)において、生命保険会社が支払う年金額からその年金額に対応する払込保険料を控除した金額が年間25万円以上になる場合、当該年金は源泉徴収の対象となる。2016.1-11-2
    保険料払込方法が一時払いの外貨建個人年金保険の場合、当該保険契約は個人年金保険料控除の適用対象とはならず、一般の生命保険料控除の対象となる。2014.9-10-1
    一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を契約から4年後に解約した場合、当該解約返戻金の額と正味払込保険料との差額が源泉分離課税の対象となる。2014.1-12-2
  3. [適切]。円換算支払特約は、外貨建て保険の保険金等を円貨で受け取るための特約です。この特約を付けておくことによって、保険金を受け取るための外貨預金口座の開設が不要となります。為替レートを固定する機能はないので注意しましょう。
  4. 不適切。確定年金は、被保険者の生死にかかわらず5年・10年・15年などの一定期間、年金を受け取ることができます。年金支払期間中に被保険者が死亡した場合は、遺族が年金受給権を相続し、引き続き遺族が残り期間分の年金を受け取ることになります(年金の残額を一括で受け取ることも可能です)。
    個人年金保険(10年確定年金)の年金支払期間中に被保険者が死亡した場合、被保険者の遺族に対し、既払込保険料総額から既払年金合計額を差し引いた額が死亡給付金として支払われる。2020.9-10-2
したがって適切な記述は[3]です。