FP1級過去問題 2024年5月学科試験 問38

問38

不動産取得税および登録免許税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 夫婦間の贈与または相続により不動産の所有権を取得した場合、いずれも不動産取得税は課されない。
  2. 贈与または相続による不動産に関する所有権の移転登記をする場合、登録免許税の課税標準は、贈与日または相続開始日における当該不動産の相続税評価額となる。
  3. 贈与または相続による自宅の建物に関する所有権の移転登記をする場合、登録免許税について、いずれも「住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減」の適用を受けることはできない。
  4. 贈与または相続による自宅の敷地に関する所有権の移転登記をする場合、登録免許税の税率はいずれも0.4%となる。

正解 3

問題難易度
肢115.0%
肢221.9%
肢347.5%
肢415.6%

解説

  1. 不適切。不動産取得税は、相続、法人の合併、共有物の分割による取得など、形式的な所有権の移転の場合には非課税とされています。相続による取得では非課税ですが、贈与については夫婦間であっても形式的とはみなされないため、不動産取得税の課税対象となります(地方税法73条の7)。
  2. 不適切。相続税評価額ではありません。登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、取得原因によらず固定資産税評価額です(登録免許税法附則7条)。
  3. [適切]。贈与・相続は対象外です。住宅用家屋の所有権の移転登記の税率軽減は、次の条件を満たす中古住宅を売買・競落で取得した際に、その移転登記に係る登録免許税の税率が本則2.0%から0.3%に軽減される措置です(措置法73条)。
    1. 自己居住用の住宅であること
    2. 床面積50㎡以上であること
    3. 新築または取得後1年以内に登記されたもの
    4. 中古住宅の場合、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されたものであること、または一定の耐震基準に適合していること
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  4. 不適切。贈与は2.0%です。不動産の所有権移転登記に係る登録免許税の税率は、相続、法人の合併、共有物の分割など形式的な所有権の移転を取得原因とする場合は0.4%、それ以外は原則2.0%とされています。
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したがって適切な記述は[3]です。